3. Q-switched Nd:YAGレーザー:MedLite C6の使用経験

「目的」:肝斑や両側性遅発性太田母斑様色素斑(以下, ABNOMsと略す)に対する低出力Q-switched Nd:YAGレーザー治療の有効性を検討した. 「対象」:皮膚科医が肝斑, ABNOMsと診断し低出力Q-switched Nd:YAGレーザー治療を希望した対象15症例に行った. 「使用機器ならびに照射条件」:HOYA ConBio社製Q-switched Nd:YAGレーザー:MedLite C6を使用した. 使用波長は1064nmを使用し, スポットサイズは6mmを使用した. 出力は, 治療直後に皮膚剥離や水疱形成を生じない出力を用いた(目安として1.5~3J/cm2). 肝斑は2...

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Veröffentlicht in:日本レーザー医学会誌 2012, Vol.32 (4), p.509-509
Hauptverfasser: 秋田浩孝, 横山侑祐, 佐々木良輔, 根岸圭, 松永佳世子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「目的」:肝斑や両側性遅発性太田母斑様色素斑(以下, ABNOMsと略す)に対する低出力Q-switched Nd:YAGレーザー治療の有効性を検討した. 「対象」:皮膚科医が肝斑, ABNOMsと診断し低出力Q-switched Nd:YAGレーザー治療を希望した対象15症例に行った. 「使用機器ならびに照射条件」:HOYA ConBio社製Q-switched Nd:YAGレーザー:MedLite C6を使用した. 使用波長は1064nmを使用し, スポットサイズは6mmを使用した. 出力は, 治療直後に皮膚剥離や水疱形成を生じない出力を用いた(目安として1.5~3J/cm2). 肝斑は2~4週間に1度, ABNOMsは4週間ごとに5回治療を行った. 「結果」:肝斑10例, ABNOMs5例に対し治療を行い全例改善傾向は認めた. 重篤な副作用はなかったが, 部分的に色素脱失を生じた肝斑症例が1例存在した. また妊娠のため治療を中断した肝斑患者1例は治療終了後に肝斑が再燃した. 「考察」:肝斑とABNOMsはメラニン色素の存在する部位や性質は違うものの今回の治療検討では両疾患ともに有効性を認めた. 肝斑の治療としてレーザー治療を第一選択として用いることは議論を有するが, トラネキサム酸内服が困難な患者に対し今後選択しうる治療となるかもしれない. またABNOMsに対しても従来の出力を用いたQ-switchedレーザー治療と比し, 痛みも自制内であり, 炎症後色素沈着も少なく今後選択しうる可能性を示唆した. さらなる症例の蓄積と検討を有するが, Q-switched Nd:YAGレーザー MedLite C6は種々の顔面良性色素斑に対し総合的に対処できる機器であると考えた.
ISSN:0288-6200