GL-I-6 フェオフォ-バイトの光抗ウィルス作用

フェオフォーバイドaのNa塩(Na-Phde a)は, DNAを効率よく光切断する. 本研究では, ウィルス感染症に対するNa-Phde aの治療薬としての有効性を考察した. 二本鎖DNAウィルスとして牛ヘルペスウィルス1(BHV-1)を, -鎖RNAウィルスとして水胞性口炎ウィルス(VSV), 牛パラインフルエンザ3(BPV-3)を, +鎖RNAウィルスとして牛ウィルス性下痢ウィルス(BVDV), ゲタウィルス(GETV)を用いた. Na-Phde aを10倍階段希釈し, Na-Phde a液とウィルス液を等量ずつ混合し, 暗室に1時間放置後, 20Wの蛍光灯で3cmの距離から照射した. 対...

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Veröffentlicht in:日本レーザー医学会誌 2010, Vol.31 (2), p.187-187
Hauptverfasser: 泉對博, 岩本智恵子, 仲里正孝, 奥田将旭, 安部泰弘, 斎藤明義, 小林正美
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:フェオフォーバイドaのNa塩(Na-Phde a)は, DNAを効率よく光切断する. 本研究では, ウィルス感染症に対するNa-Phde aの治療薬としての有効性を考察した. 二本鎖DNAウィルスとして牛ヘルペスウィルス1(BHV-1)を, -鎖RNAウィルスとして水胞性口炎ウィルス(VSV), 牛パラインフルエンザ3(BPV-3)を, +鎖RNAウィルスとして牛ウィルス性下痢ウィルス(BVDV), ゲタウィルス(GETV)を用いた. Na-Phde aを10倍階段希釈し, Na-Phde a液とウィルス液を等量ずつ混合し, 暗室に1時間放置後, 20Wの蛍光灯で3cmの距離から照射した. 対照としてPBSとウィルス液を等量混合したものを使用した. 照射後, 各混合液を10倍階段希釈し, 96穴プレートに培養しておいたMDBK細胞に接種し1時間感作した. その後, 96穴プレートから接種液を吸引除去し, 維持培養液を加え37℃で培養し, CPEの出現を指標にウィルス感染価を観察した. その結果, 使用した全てのウィルスにおいて, 「Na-Phde a+光」のときに強い抗ウィルス作用があることを初めて明らかにした. Na-Phde aの光抗ウィルス作用は, ウィルスの種類にほとんど依存しなかった. Na-Phde aによる二本鎖DNAの光切断は, 核酸塩基のGとAの酸化により進行する. より化学的に不安定な一本鎖RNAでも光切断が起きると推定されるが, 今回使用したウィルスは全て, 増殖時に二本鎖を形成する過程があるので, この時に抗ウィルス作用がより強く働くと思われる.
ISSN:0288-6200