ヒト由来脳腫瘍細胞の細胞増殖に対する808nm低出力レーザー照射効果
低出力レーザー照射(Low-power laser irradiation: LLI)は細胞増殖を含め,様々な生物学的過程に影響を及ぼすことが報告されている.たとえば細胞周期を妨害し細胞増殖を抑制するといった報告がある一方で,細胞増殖を刺激するという報告もある.多数の実験報告や臨床報告はあるものの, LLIの効果が一定でなく,作用機序や効果の最適条件については未だに不明な点が多い.そこでわれわれは癌に対する低出力レーザー治療の開発を目指す最初のステップとして,ヒト由来脳腫瘍細胞(A-172)の細胞増殖に対するLLI効果を検討した.実験には808nmのダイオードレーザーを用いた.細胞を35mm-...
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Veröffentlicht in: | 日本レーザー医学会誌 2009/07/15, Vol.30(2), pp.135-140 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 低出力レーザー照射(Low-power laser irradiation: LLI)は細胞増殖を含め,様々な生物学的過程に影響を及ぼすことが報告されている.たとえば細胞周期を妨害し細胞増殖を抑制するといった報告がある一方で,細胞増殖を刺激するという報告もある.多数の実験報告や臨床報告はあるものの, LLIの効果が一定でなく,作用機序や効果の最適条件については未だに不明な点が多い.そこでわれわれは癌に対する低出力レーザー治療の開発を目指す最初のステップとして,ヒト由来脳腫瘍細胞(A-172)の細胞増殖に対するLLI効果を検討した.実験には808nmのダイオードレーザーを用いた.細胞を35mm-dishまたは96-well plateで培養し,非照射群をコントロールとし照射群を実験群とし,実験群にはそれぞれレーザー照射(60mW)を20, 40, 60分間加えた.細胞はCO2インキュベーターで培養し,照射前,照射直後,24時間後,48時間後に位相差顕微鏡を用いて写真撮影し, そのデジタル画像から細胞計数を行い,コントロール群および実験群の細胞増殖率を算出した.またMTT法を用いて,照射後48時間時点での生細胞の呼吸活性を吸光光度法により測定し,非照射群と実験群とで比較した.顕微鏡を用いた定点撮影法によるすべての計数結果から,非照射群と比較して実験群は統計学的に有意な細胞増殖率の低下を示し(p |
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ISSN: | 0288-6200 1881-1639 |
DOI: | 10.2530/jslsm.30.135 |