12. 当院における加齢黄斑変性症に対するPDT療法

加齢黄斑変性症は, 黄斑部の加齢変化に伴って発生する脈絡膜新生血管により, 著しい視力低下をきたすことがある. これまでは主にレーザー光凝固, 新生血管抜去術, 黄斑移動術などが行われてきたが, 適応に限界があり, また暗点などの合併症も問題になっていた. 3年前より, この疾患に対して, 光線力学療法(PDT)が保険適応となり, 進行の予防に有効であるとされている. PDTは選択的に新生血管を閉塞させるが, 再発や使用薬剤の日光過敏症などの問題がある. 当院でも平成16年9月より開始し, 約50症例に施行してきた. このうち3ヶ月以上経過した加齢黄斑変性症の症例40眼について検討した. 平均...

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Veröffentlicht in:日本レーザー医学会誌 2008, Vol.28 (4), p.427-427
Hauptverfasser: 大野安季子, 恒川日南子, 丹羽慶子, 雑喉正泰, 岩城正佳
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:加齢黄斑変性症は, 黄斑部の加齢変化に伴って発生する脈絡膜新生血管により, 著しい視力低下をきたすことがある. これまでは主にレーザー光凝固, 新生血管抜去術, 黄斑移動術などが行われてきたが, 適応に限界があり, また暗点などの合併症も問題になっていた. 3年前より, この疾患に対して, 光線力学療法(PDT)が保険適応となり, 進行の予防に有効であるとされている. PDTは選択的に新生血管を閉塞させるが, 再発や使用薬剤の日光過敏症などの問題がある. 当院でも平成16年9月より開始し, 約50症例に施行してきた. このうち3ヶ月以上経過した加齢黄斑変性症の症例40眼について検討した. 平均年齢70歳, 経過観察期間3~30ヶ月, 平均15ヶ月. 1症例あたりの治療回数は1~4回で, 平均2回であった. 合併症は, めまい1例, 発疹1例で, 眼科的には, 網膜下出血の悪化を認めた症例が17眼, 出血が広範囲に及んだ症例4眼, このうち3眼が硝子体出血となり予後不良であった. 最終視力は, 改善と不変をあわせると約8割であった. 現在, 他薬剤との併用や, 適応病型の再検討を施行中である.
ISSN:0288-6200