37.市立札幌病院眼科における加齢黄斑変性に対するPDTの成績

(目的)中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性(AMD)に対する光線力学的療法(PDT)の術後1年以上の治療効果に関して検討した. (方法)対象は2004年5月から2006年2月に市立札幌病院眼科にて中心窩下脈絡膜新生血管を伴うAMDに対しPDTを行った290例のうち, 中断なしに1年以上経過観察できた85例88眼(男性59眼, 女性29眼)である. 年齢は55~91歳(平均72.1歳)で, 術後経過観察期間は1~1.75年(平均1.2年)であった. 症例の内訳は狭義AMD53眼(60.2%), ポリープ状脈絡膜血管症28眼(31.8%), RAP(網膜内血管腫様増殖)7眼(8.0%)であっ...

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Veröffentlicht in:日本レーザー医学会誌 2006, Vol.27 (2), p.146-146
Hauptverfasser: 荻野哲男, 竹田宗泰, 今泉寛子, 奥芝詩子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:(目的)中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性(AMD)に対する光線力学的療法(PDT)の術後1年以上の治療効果に関して検討した. (方法)対象は2004年5月から2006年2月に市立札幌病院眼科にて中心窩下脈絡膜新生血管を伴うAMDに対しPDTを行った290例のうち, 中断なしに1年以上経過観察できた85例88眼(男性59眼, 女性29眼)である. 年齢は55~91歳(平均72.1歳)で, 術後経過観察期間は1~1.75年(平均1.2年)であった. 症例の内訳は狭義AMD53眼(60.2%), ポリープ状脈絡膜血管症28眼(31.8%), RAP(網膜内血管腫様増殖)7眼(8.0%)であった. 病変をType別に分類するとPredominantly Classicが16眼(18.2%), Minimally Classicが46眼(52.3%), Occultが26眼(29.5%)であった. 全例で視力, 眼底, 蛍光造影, 光干渉断層計を施行し, Retrospectiveに検討した. (結果)術前視力は相乗平均で0.103であった. PDT施行3ヵ月後は0.109, 6ヵ月後0.119, 9ヵ月後0.127, 12ヵ月後0.137と改善した. 病変最大直径, 中心窩網膜厚も徐々に減少した. 術前視力と1年後の視力を比較して少数視力で2段階以上の改善, 不変, 悪化で分けると改善が29眼(33.0%), 不変48眼(54.5%), 悪化が11眼(12.5%)とその視力経過は良好であった. PDT施行回数は1年間で平均2.2回であった. 全身副作用として軽度皮膚障害が3例(3.4%), 背部痛が1例(1.1%)でみられ, いずれも一過性で治癒している. (結論)当施設における中心窩下脈絡膜新生血管を伴うAMDに対するPDTの1年以上の治療経過は良好であった. 全身副作用も殆どなく, 安全に施行できる治療法であった.
ISSN:0288-6200