2. 子宮頚部病変に対するKTPレーザーの治療成績

KTPレーザー光は, 波長532nmのグリーン光でその波長特性としてヘモグロビンへの吸収度が高いことから光自体での組織の止血的切開, 蒸散能力に優れる. また, 組織への浸透度が浅く熱変性は照射部位に比較的限局される. 一方, 水に対する吸収度が低いので洗浄しながらの照射や水中下での手術も可能である. 当院ではH10年から子宮頚部病変へKTPレーザーを使用しているのでその治療成績について報告する. 対象の内訳はCIN80例, 外陰コンジローマ12例(妊娠中4例), 悪性腺腫(疑)6例, 頚部ポリープ2例, 膣中隔1例の計101例であった(表1). CIN症例の術前および術後診断(表2)では,...

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Veröffentlicht in:日本レーザー医学会誌 2005, Vol.26 (3), p.289-290
Hauptverfasser: 神田隆善, 笠松真弓, 佐藤直美, 岩井恵美
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:KTPレーザー光は, 波長532nmのグリーン光でその波長特性としてヘモグロビンへの吸収度が高いことから光自体での組織の止血的切開, 蒸散能力に優れる. また, 組織への浸透度が浅く熱変性は照射部位に比較的限局される. 一方, 水に対する吸収度が低いので洗浄しながらの照射や水中下での手術も可能である. 当院ではH10年から子宮頚部病変へKTPレーザーを使用しているのでその治療成績について報告する. 対象の内訳はCIN80例, 外陰コンジローマ12例(妊娠中4例), 悪性腺腫(疑)6例, 頚部ポリープ2例, 膣中隔1例の計101例であった(表1). CIN症例の術前および術後診断(表2)では, 術前後の診断一致率は50.1%であった. しかし, 紹介を除く当院症例では診断一致率は75%であった. 術後診断でAISとMIAの2例の腺癌の合併が発見された. さらに, 術前細胞診異常のみの3例から2例のCISが術後診断できた. 診断面でのレーザー円錐切除術の有用性が再認識された. 病変進行度と病巣遺残の関係をみると(表3), CIS37例中1例, MIC5例中2例, Invasive Ca. 1例中1例に病巣遺残が見られ, 遺残率は5%(4/80)であった. 対象とする症例の内容にもよるが, KTPレーザーの優れた切開, 蒸散能力で, 以前使用していたYAGレーザーより遺残は少なかった. 転帰としては(表4), 遺残の4例にはそれぞれ, 単純全摘1例, 準広汎全摘2例, 広汎全摘1例を行い, 再発は見られていない. ただ, 遺残のないSD1例に術後1.5年でModerat. dys.が見られた. 本例は10年前にも他院で円錐切除術を受けており, 頚部異形成のハイリスク群と考えられた.
ISSN:0288-6200