5. 一重項酸素検出による光増感剤ATX-S10を用いるPDTの最適励起波長の検討

目的:一重項酸素由来赤外光(波長1270nm)を検出することにより, ATX-S10の最適励起波長を検出する. 方法:ヌードマウス(BALB/c nu/nu)の背部皮内に5×106個/0.1mlのHeLa細胞を移植して腫瘍を作成し, ATX-S10(25mg/kg)静注2時間後に波長可変OPO(20Hz, 2mW/cm2)で励起して, 腫瘍から得られる光のうち1270nm光を分光検出した. 検出器にはゲート動作可能なIIとCCDの組合せによる近赤外マルチチャンネル検出器を用いた. 結果:1270nm光強度は670nmでの強度を100とした時に, 650nm(67), 660nm(76), 67...

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Veröffentlicht in:日本レーザー医学会誌 2003, Vol.24 (4), p.319-319
Hauptverfasser: 平野達, 河野栄治, 影山一巳, 廣畑徹, 岡崎茂俊, 伊藤利昭
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:一重項酸素由来赤外光(波長1270nm)を検出することにより, ATX-S10の最適励起波長を検出する. 方法:ヌードマウス(BALB/c nu/nu)の背部皮内に5×106個/0.1mlのHeLa細胞を移植して腫瘍を作成し, ATX-S10(25mg/kg)静注2時間後に波長可変OPO(20Hz, 2mW/cm2)で励起して, 腫瘍から得られる光のうち1270nm光を分光検出した. 検出器にはゲート動作可能なIIとCCDの組合せによる近赤外マルチチャンネル検出器を用いた. 結果:1270nm光強度は670nmでの強度を100とした時に, 650nm(67), 660nm(76), 670nm(100), 680nm(40), 690nm(0)であり, 670mmが一重項酸素を最大に発生させた. 考察, 結論:上記結果をATX-S10投与の胆癌マウスPDTによる結果と比較検討した. HeLa胆癌ヌードマウスにATX-S10を5mg/kgで投与し, 波長可変YAG-Dyeレーザー(30Hz, 120mW/cm2, 100J/cm2)で照射してPDTによる腫瘍壊死の深さを求めた. 壊死の深さ(n=6の平均)は650nm(2.7mm), 660nm(7.6mm), 670nm(10.1mm), 680nm(7.9mm), 690nm(0mm)であり, 670nmで最大の壊死から得られた. ATX-S10によるPDTでは一重項酸素産生が最大となる波長でPDT効果が最大となり, PDTはタイプII反応により行われることが確認された.
ISSN:0288-6200