3. Photodynamic Therapy(PDT)によるグリオーマ細胞の誘導機構
目的 PDTは, 光感受性物質が細胞内に高い濃度に取り込まれることを利用してレーザー併用により腫瘍細胞を障害する治療法である. PDTは既に肺癌など広く適用されている. 今回は低出力レーザー(浜松ホトニクス製)と従来のPDT薬剤に比べ癌組織選択性の高い新規PDT薬剤ATX-S10(光ケミカルより提供)を用いてグリオーマに対するアポトーシスの誘導機序を検討した. 方法:グリオーマ(SKMG-1, T-98, 251-SP, U251-MG)×5×105/cellsを調整し, ATX-S10を50μg/ml加え, 2hインキュベート後の細胞に5J/cm2, 10J/cm2, 20J/cm2, 40...
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Veröffentlicht in: | 日本レーザー医学会誌 2003, Vol.24 (4), p.318-318 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的 PDTは, 光感受性物質が細胞内に高い濃度に取り込まれることを利用してレーザー併用により腫瘍細胞を障害する治療法である. PDTは既に肺癌など広く適用されている. 今回は低出力レーザー(浜松ホトニクス製)と従来のPDT薬剤に比べ癌組織選択性の高い新規PDT薬剤ATX-S10(光ケミカルより提供)を用いてグリオーマに対するアポトーシスの誘導機序を検討した. 方法:グリオーマ(SKMG-1, T-98, 251-SP, U251-MG)×5×105/cellsを調整し, ATX-S10を50μg/ml加え, 2hインキュベート後の細胞に5J/cm2, 10J/cm2, 20J/cm2, 40J/cm2の条件下でレーザー照射を行った. 一定時間の培養後に細胞回収を行い, DNA断片化およびFlou-3AMを用いた細胞内Ca++濃度の測定解析をFACSにより行った. 一方Caspase-3, 9, 12の活性化をWestern blotting法で検出した. 結果:PDT処理後24hではグリオーマでPDTによりアポトーシスが誘導されたがSKMG-1におけるアポトーシスが最も顕著であった. SKMG-1では特徴的なDNAラダーは観察されなかったが, 一方Caspase-3, 12の分解が認められた. SKMG-1におけるPDT(20J/cm2)ではCaspase-Family Inhibitor(Z-VAD-FMK)の前処理においてアポトーシス誘導が抑制された. 一方PDT処理15h後では細胞内Ca++濃度の増加が認められた. 総括:新規PDT薬剤ATX-S10と低出力レ-ザーによるPDTはSKMG-1に対して, 細胞内Ca++の増加に伴ったCaspase-3, 12の活性化とアポトーシスを誘導した. ATX-S10と低出力レーザーによるPDTは今後の脳腫瘍治療において有効な治療法となることが示唆された. |
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ISSN: | 0288-6200 |