耳鼻咽喉科 (一般演題1)

一般演題1「耳鼻咽喉科」のセッションでは6題の演題があった. 耳科領域が2題, 口腔領域2題, 鼻咽喉頭領域2題であり活発な討論が行われた. 1) 石井準之助氏(社会保険神戸中央病院歯科口腔外科)からは, 表在性の早期舌癌に対するレーザー手術の有用性についての報告があった. 炭酸ガスレーザーあるいはKTPレーザーを用いて手術を行うことにより, 創部は開放創とすることができ術後の機能障害が少なく, よりよいQ.O.L.を得ることができるものと思われた. 2) 二井一則氏(弘前大学耳鼻咽喉科)からは, 耳小骨離断の診断および治療に炭酸ガスレーザーを用いた鼓膜開窓術についての報告があった. 炭酸ガス...

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Veröffentlicht in:日本レーザー医学会誌 2003-12, Vol.24 (4), p.312-312
Hauptverfasser: 桜井一生, 田部哲也
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:一般演題1「耳鼻咽喉科」のセッションでは6題の演題があった. 耳科領域が2題, 口腔領域2題, 鼻咽喉頭領域2題であり活発な討論が行われた. 1) 石井準之助氏(社会保険神戸中央病院歯科口腔外科)からは, 表在性の早期舌癌に対するレーザー手術の有用性についての報告があった. 炭酸ガスレーザーあるいはKTPレーザーを用いて手術を行うことにより, 創部は開放創とすることができ術後の機能障害が少なく, よりよいQ.O.L.を得ることができるものと思われた. 2) 二井一則氏(弘前大学耳鼻咽喉科)からは, 耳小骨離断の診断および治療に炭酸ガスレーザーを用いた鼓膜開窓術についての報告があった. 炭酸ガスレーザーで鼓膜穿孔を作成し, 耳用内視鏡を穿孔から挿入し障害部位を確認, 内視鏡下に鼓室形成術を行うといった新しい方法である. 手術成績は良好で低侵襲でよい方法であり, さらなる発展が期待できると思われた. 3) 井上卓氏(弘前大学耳鼻咽喉科)からは, 炭酸ガスレーザーを用いた癒着性中耳炎の外来治療についての報告があった. 本法は鼓膜の癒着部位全体を炭酸ガスレーザーで蒸散する方法で, 癒着範囲が小さく耳小骨などに及んでいない症例に適応が限られるが効果的で, 有用であると思われた. 4) 桜井一生氏(藤田保健衛生大学耳鼻咽喉科)からは, 後鼻孔閉鎖症に対するレーザー手術の有用性について報告があった. 後鼻孔閉鎖症5症例に対して内視鏡下のKTPレーザー手術を行い, 本法は出血が少なく, 安全かつ確実な方法で術後成績も良好であり良い治療法と思われた. 5) 西村洋一氏(藤田保健衛生大学第2教育病院耳鼻咽喉科)からは, 炭酸ガスレーザーを用いて摘出した巨大な咽頭血管腫の症例報告があった. 腫瘍は呼吸困難をきたすほどの大きさであったが, 気管切開後に咽頭直達鏡を挿入し炭酸ガスレーザーで摘出することができ, 低侵襲でよい方法と思われた. 6) 磯田幸秀氏(防衛医科大学耳鼻咽喉科)からは, レーザーを用いて舌を切除した場合の痛覚に及ぼす影響について, 実験動物を用いて検討した結果の報告であった. レーザー切除においても, 残存舌には金属メス, 電気メスと同様に慢性期の疼痛が起こっていること, レーザー手術で疼痛が軽度な理由は, 断端から神経までの距離が長く, 神経への直接刺激が少ないためとの結論であった. レーザーが生体に及ぼす影響についての貴重な基礎的研究でありさらなる発展を期待したい.
ISSN:0288-6200