レーザー誘起音響波による遺伝子導入:in vivo実験
[背景目的]遺伝子治療を成功させるためには安全で効率的な遺伝子導入技術の開発が必要である. 現在, ウイルスベクター法, 化学的方法, 物理的方法が精力的に開発されているが, 技術的問題が多く残されている. 特に安全性, 導入効率, ターゲッティング特性が不十分である. 一方レーザーは極めて優れた空間的制御性をもつことから, 主に個別の培養細胞への遺伝子導入に用いられてきたが(レーザー蒸散により細胞膜に小孔を形成する), in vivoでの応用を考えた場合, スループットが低いため実用性が乏しい. 我々はin vivoでの遺伝子導入を達成するために, ナノ秒パルスレーザーを固体材料に照射したと...
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Veröffentlicht in: | 日本レーザー医学会誌 2003-09, Vol.24 (3), p.171-171 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | [背景目的]遺伝子治療を成功させるためには安全で効率的な遺伝子導入技術の開発が必要である. 現在, ウイルスベクター法, 化学的方法, 物理的方法が精力的に開発されているが, 技術的問題が多く残されている. 特に安全性, 導入効率, ターゲッティング特性が不十分である. 一方レーザーは極めて優れた空間的制御性をもつことから, 主に個別の培養細胞への遺伝子導入に用いられてきたが(レーザー蒸散により細胞膜に小孔を形成する), in vivoでの応用を考えた場合, スループットが低いため実用性が乏しい. 我々はin vivoでの遺伝子導入を達成するために, ナノ秒パルスレーザーを固体材料に照射したときに発生するレーザー誘起音響波を用いることにより, ラット皮膚ヘレポーター遺伝子の導入を試みた. [方法対象]ルシフェラーゼ, EGFP(enhanced green fluorescent protein), β-ガラクトシダーゼ遺伝子をラット皮内に注入後, その上にポリマーターゲットを配置し, Q-スイッチNd:YAGレーザーの第二高調波を照射することにより音響波を発生させた. [結果考察]レーザー誘起音響波の適用により, ルシフェラーゼの活性がDNA注入のみの場合に対し10~120倍増加し, 活性は1週間後まで維持された. またEGFP, β-ガラクトシダーゼの観察から, 表皮中の細胞に選択的に遺伝子が取り込まれていること, また遺伝子発現はレーザー適用部位のみに限定されていることを確認した. 本方法はビーム径を変化させることにより, 細胞から組織レベルのターゲッティングが可能と考えられる. さらに電気穿孔法, 超音波法と比べると, 生体電気安全性が高く, 光ファイバを用いた経カテーテル的遺伝子治療への適合性が高いと考えられる. 本研究開発の一部は経済産業省の産業技術研究開発プログラム「健康寿命延伸のための医療福祉機器高度化プログラム」として, 新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)からの委託を受けて行われた. |
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ISSN: | 0288-6200 |