一重項酸素発光検出によるPDT薬剤の評価

光線力学的療法 (PDT) の効率は, 光照射により発生する一重項酸素と密度に関係している. 我々は, 一重項酸素が発生する近赤外領域の微弱発光を検出することにより, 一重項酸素を直接定量できる装置を開発し, S/Nの良い発光スペクトルを短時間の積算で得ることができた. この装置を用いて次世代のPDT薬剤として期待されるATX-S10の測定を行いPhotofrinの場合と比較した. その結果, ATX-S10は同一重量濃度の溶液系においてPhotofrinと比較して20倍以上も一重項酸素発生能が高いことが示された. また吸収スペクトルの測定により, ATX-S10はヒト血清タンパクと強い相互作...

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Veröffentlicht in:日本レーザー医学会誌 2003, Vol.24(2), pp.75-81
Hauptverfasser: 伊藤, 利昭, 岡崎, 茂俊, 河野, 栄治, 平野, 達
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:光線力学的療法 (PDT) の効率は, 光照射により発生する一重項酸素と密度に関係している. 我々は, 一重項酸素が発生する近赤外領域の微弱発光を検出することにより, 一重項酸素を直接定量できる装置を開発し, S/Nの良い発光スペクトルを短時間の積算で得ることができた. この装置を用いて次世代のPDT薬剤として期待されるATX-S10の測定を行いPhotofrinの場合と比較した. その結果, ATX-S10は同一重量濃度の溶液系においてPhotofrinと比較して20倍以上も一重項酸素発生能が高いことが示された. また吸収スペクトルの測定により, ATX-S10はヒト血清タンパクと強い相互作用を示すことが示された. このような強い相互作用をしている条件下で, 一重項酸素発生効率が高くなる至適励起波長を決定することができた.
ISSN:0288-6200
1881-1639
DOI:10.2530/jslsm1980.24.2_75