JS-1-3 エキシマレーザー

ガラスレンズからプラスチックの軽量レンズへと眼鏡の技術が進み, またコンタクトレンズもPMMAを用いたHEMAを素材とするソフトコンタクトレンズへと進歩し, さらに現在ではディスポーザブルという考え方のコンタクトレンズへと発展してきている. それでも眼鏡やコンタクトレンズなどの補助具を用いないで生活をしたいというのは, 近視などの屈折異常を持つ人たちの一つの夢であった. 屈折異常に対する様々な外科的治療法が古くから試みられてきたが, 1970年代後半に角膜を放射状に切開するRadial Keratotomyが試みられ, 角膜屈折矯正手術という新しい手術分野が急速に展開してきた. Radial...

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Veröffentlicht in:日本レーザー医学会誌 2002, Vol.23 (3), p.155-155
1. Verfasser: 西田輝夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:ガラスレンズからプラスチックの軽量レンズへと眼鏡の技術が進み, またコンタクトレンズもPMMAを用いたHEMAを素材とするソフトコンタクトレンズへと進歩し, さらに現在ではディスポーザブルという考え方のコンタクトレンズへと発展してきている. それでも眼鏡やコンタクトレンズなどの補助具を用いないで生活をしたいというのは, 近視などの屈折異常を持つ人たちの一つの夢であった. 屈折異常に対する様々な外科的治療法が古くから試みられてきたが, 1970年代後半に角膜を放射状に切開するRadial Keratotomyが試みられ, 角膜屈折矯正手術という新しい手術分野が急速に展開してきた. Radial Keratotomyは眼科医の手でダイアモンドナイフを用いて角膜を切開する術式であり, 正確さという点で変動幅が大きいものであった. そのころ開発されたエキシマレーザーを用いてTrokelらはRadial Keratotomyの切開をエキシマレーザーで行うことを試みた. しかしながら, エキシマレーザーでは切開ではなく溝状の切除となるため, Radial Keratotomyに用いることを断念し, 逆にエキシマレーザーの焦点を合わすことが出来ず面状に照射される特性を利用して, 角膜中央部を切除して屈折力を変化させるPhotorefractive Keratotomy(PRK)へと展開した. 当時としては極めて精度が高い手術であり, エキシマレーザーを用いる角膜屈折矯正手術としての地位を確立した. しかしながら, 角膜上皮をも切除することに伴う術後の疼痛や近視の戻りあるいは角膜混濁の発生などの臨床的問題点が認められた. その後マイクロケラトームの開発を利用し一旦角膜実質を切断した後にエキシマレーザーを照射するLaser in situ keratomileusis(LASIK)が開発され, 現在では角膜屈折矯正手術の標準的な術式として行われてきている. さらに改良は加えられLaser subepithelial keratectomy(LASEK)やWave-front technologyを加味したエキシマレーザーの照射法などが試みられ, さらに角膜屈折矯正手術は進化しようとしている. 本講演では, 角膜屈折矯正手術の発展を振り返り, エキシマレーザーが果たした貢献を概観し, 角膜屈折矯正手術の将来を展望する.
ISSN:0288-6200