獣医用光増感剤PAD-S31の組織残留性および生体に及ばす影響
【緒言】 演者らは, 約10年前より獣医領域へのPDTの応用を目指し, 種々な光増感剤について基礎的検討をしてきた. その結果, PDTは動物自然発症腫瘍の治療に有効なことが判明し, ヒト用に開発されたATX-S10を基本物質として動物用の光増感剤PAD-S31を開発した. 今回はその組織残留性および生体に及ばす影響について報告する. 【材料及び方法】 1.生体の血液生化学的検査に及ばす影響 ddyマウス(5過齢, メス)にPAD-S31を5および10 mg/kg静脈内投与し, 経時的に一般状態の観察, 採血を行い, 一般血液検査および血清生化学検査を行った. また正常犬(6ヶ月~1歳齢)にP...
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Veröffentlicht in: | 日本レーザー医学会誌 2001, Vol.22 (4), p.286-286 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【緒言】 演者らは, 約10年前より獣医領域へのPDTの応用を目指し, 種々な光増感剤について基礎的検討をしてきた. その結果, PDTは動物自然発症腫瘍の治療に有効なことが判明し, ヒト用に開発されたATX-S10を基本物質として動物用の光増感剤PAD-S31を開発した. 今回はその組織残留性および生体に及ばす影響について報告する. 【材料及び方法】 1.生体の血液生化学的検査に及ばす影響 ddyマウス(5過齢, メス)にPAD-S31を5および10 mg/kg静脈内投与し, 経時的に一般状態の観察, 採血を行い, 一般血液検査および血清生化学検査を行った. また正常犬(6ヶ月~1歳齢)にPAD-S31を2, 5, 10および15 mg/kgを3頭ずつ静脈内投与し, 経時的にマウスと同様の血液検査を行った. 2.生体内薬物動態 ddyマウス(5過齢, メス)にPAD-S31を5 mg/kg静脈内投与し, 経時的に各臓器を採材し, アセトン法により抽出後各臓器における光増感物質の残留量を測定した. 3.光増感物質の腫瘍組織内残留量 犬扁平上皮癌細胞, 犬悪性黒色腫細胞, および犬可移植性肉腫細胞を移植したヌードマウスPAD-S31を10 mg/kg静脈内投与し, 経時的に皮膚, 筋肉および腫瘍を採材して腫瘍組織における光増感物質残留量を測定した. 【結果】 1.ddyマウスでは, 一過性の肝臓障害の指標となるALTの上昇がみられた. いっぽう, 犬については著変はみられなかった. 一般状態はマウス, 犬ともに異常はみられなかった. 2.投与後2時間目では皮膚, 肝臓, 腸管, 脾臓の順でPAD-S31が高濃度に集積し, その他の臓器では低い値を示した. また本物質は24時間以内に検査した全ての臓器から排泄され, 残留を認めなかった. 3.腫瘍組織と皮膚および筋肉の集積濃度を核時間で比較すると, 常に腫瘍組織の濃度が高値を示した. |
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ISSN: | 0288-6200 |