血管形成術後にみられる血管組織内への光感受性物質Mono-L-aspartyl chlorin e6集積の検討

光感受性物質Mono-L-aspartyl chlorin e6 (NP e6) を用いた光線力学的治療による血管手術後の再狭窄抑制に関する基礎的実験を行った. ウサギを用いて動脈傷害モデル, 動脈硬化モデルを作成し, NP e6の静脈内投与後の血中濃度, 血管組織内濃度を経時的に測定した. さらに蛍光画像を撮影しNP e6の存在部位を特定した. 血管組織内NP e6濃度は両モデル群とも投与開始30分が最も高値となり, 蛍光画像にて動脈傷害モデルでは中膜に, 動脈硬化モデルでは内膜肥厚部にNP e6が取り込まれた. さらに, 動脈硬化モデルに血管傷害を加えた部位ではNP e6が中膜へも取り込ま...

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Veröffentlicht in:日本レーザー医学会誌 2000, Vol.21(1), pp.1-8
Hauptverfasser: 内村, 智生, 會沢, 勝夫, 長江, 恒幸, 谷, 大輔, 石丸, 新
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:光感受性物質Mono-L-aspartyl chlorin e6 (NP e6) を用いた光線力学的治療による血管手術後の再狭窄抑制に関する基礎的実験を行った. ウサギを用いて動脈傷害モデル, 動脈硬化モデルを作成し, NP e6の静脈内投与後の血中濃度, 血管組織内濃度を経時的に測定した. さらに蛍光画像を撮影しNP e6の存在部位を特定した. 血管組織内NP e6濃度は両モデル群とも投与開始30分が最も高値となり, 蛍光画像にて動脈傷害モデルでは中膜に, 動脈硬化モデルでは内膜肥厚部にNP e6が取り込まれた. さらに, 動脈硬化モデルに血管傷害を加えた部位ではNP e6が中膜へも取り込まれるのを確認できた. 以上より, 新生内膜増殖の原因となる傷害血管中膜平滑筋細胞の光線学的破壊が可能となり, 血管形成術後再狭窄の抑制に有用であることが証明された.
ISSN:0288-6200
1881-1639
DOI:10.2530/jslsm1980.21.1_1