Biomedical Spectral Analyzerを用いた消化管疾患診断

[はじめに]近年, 光を利用して生体の組織情報を得るというQptical Biopsyの研究が進んでいる・その一つで, 光の散乱を利用したBiomedical Spectral Analyzer(BSA)という装置を使用する機会を得たので, その経過を報告する. [目的]消化管疾患に対するBSAの質的診断能につき検討する. [対象と方法]1998年5月から11月の間に消化管内視鏡検査にて生検組織診施行の際BSAを使用できた食道疾患12症例, 腎疾患20症例, 大腸疾患33症例, 計65症例. FONET MedicalTechnology社のBSAを用い, 内視鏡の鉗子口より挿入したプローブを...

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Hauptverfasser: 渡辺良之, 神津照雄, 有馬美和子, 田崎健太郎, 飛田浩司, 落合武徳
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:[はじめに]近年, 光を利用して生体の組織情報を得るというQptical Biopsyの研究が進んでいる・その一つで, 光の散乱を利用したBiomedical Spectral Analyzer(BSA)という装置を使用する機会を得たので, その経過を報告する. [目的]消化管疾患に対するBSAの質的診断能につき検討する. [対象と方法]1998年5月から11月の間に消化管内視鏡検査にて生検組織診施行の際BSAを使用できた食道疾患12症例, 腎疾患20症例, 大腸疾患33症例, 計65症例. FONET MedicalTechnology社のBSAを用い, 内視鏡の鉗子口より挿入したプローブを病変に当てて光を照射し, 組織スペクトルを計測する. 次いで同部位より生検を行う. その病理結果と組織スペクトルの関連性を検討する. [結果]大腸において病理結果がgroup Iであった病変群の組織スペクトルとgroup Vであった病変群の組織スペクトルを, 5個のパラメーターを設定し, 比較したところ, いずれも有意差がみられた. 胃病変についても同じ方法で統計処理し, group Iとgroup Vの群を比較したところ, 一部の値に有意差がみられた. [結語]大腸及び胃病変に対し, BSAで組織スペクトルを測定し, 設定したパラメーターを比較検討した結果group Iとgroup Vの群に有意差が認められ, BSAが消化管疾患の診断に有用である可能性が示唆された. 今後, 測定手技を確立し, 組織スペクトルの持つ情報の解明とより適切な分析方法の検討を行い, 内視鏡検査で検出困難な情報を提供し, また, 迅速かつ低侵襲な内視鏡的組織診断法としての可能性を追求したい.
ISSN:0288-6200