癌患者の落痛治療におけるレーザー治療の役割
<目的>松山赤十字病院麻酔科外来にレーザー治療器が導入されてから約10年間に, 他科から依頼された癌患者の痛み治療について実情を調査し, レーザー治療の役割の方向性を検討すること. <対象と方法>1990年から約9年6ヶ月間に麻酔科外来に痛み治療のために紹介された81名の癌患者を対象とした. 診療録に基づいて, 年令, 性別, 原疾患名, 疼痛部位, 治療法, 効果, 治療を依頼されてより死亡するまでの期間などを調査した. 効果は, PRSを用いて10・9を無効, 8~6を微効, 5~2を有効, 1・0を著効とした. 著効と有効をもって有効とした. <結果>年令:平均58.1±14.4才(範囲...
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Veröffentlicht in: | 日本レーザー医学会誌 1999, Vol.20 (3), p.261-261 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | <目的>松山赤十字病院麻酔科外来にレーザー治療器が導入されてから約10年間に, 他科から依頼された癌患者の痛み治療について実情を調査し, レーザー治療の役割の方向性を検討すること. <対象と方法>1990年から約9年6ヶ月間に麻酔科外来に痛み治療のために紹介された81名の癌患者を対象とした. 診療録に基づいて, 年令, 性別, 原疾患名, 疼痛部位, 治療法, 効果, 治療を依頼されてより死亡するまでの期間などを調査した. 効果は, PRSを用いて10・9を無効, 8~6を微効, 5~2を有効, 1・0を著効とした. 著効と有効をもって有効とした. <結果>年令:平均58.1±14.4才(範囲13-90才), 男女比55:26, 原疾患;肝・胆・膵癌16人, 胃癌12人, 直腸癌12人, 肺癌11人, 膀胱・前立腺癌7人, 結腸癌6人, 骨腫瘍5人, その他12人, 疼痛部位:原疾患によって特徴的であるが, 病状の進行によって, 全身のあらゆる部位におよぶ. 治療法:硬膜外ブロック44処置, 鎮痛薬のみ(麻薬・NSAIDsなど)20, レーザー治療13, その他(腹腔神経叢ブロック, くも膜下フェノールブロックなど). レーザー治療の効果は, 著効2, 有効7, 微効4, 無効0であった. 死亡までの期間は81.9±76.7日(中央値62日 N=23)であった. <結語>癌性疼痛にはレーザー治療は効果が期待できないという立場を取ってきたために, 83人中13人(10.5%)にしかレーザー治療を用いていないが, 有効率は69.2%であった. レーザー治療は, 癌患者の持つ痛みの中でも, 筋筋膜性疼痛, 交感神経が関与する痛み, 炎症性疼痛には有効であり, QOLの向上に貢献出来るものと考える. |
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ISSN: | 0288-6200 |