尿管及び尿道狭窄に対する新しいレーザー治療
近年, 泌尿器科領域において尿管及び尿道狭窄に対するレーザー治療の研究が積極的に行われている。しかし, これらのレーザー治療は従来の内視鏡下の治療法と比較して, 出血が少ない等術中合併症は軽減しているが, 再狭窄を生じやすいという欠点が認められている。我々は尿管及び尿道の狭窄に対して術後再狭窄がなく, 簡便でかつ安全な手技によるレーザー治療の開発を目的として基礎的研究を行った。まず, 尿路狭窄に対する最適な治療用のレーザーを選択するために基礎実験を行い, 紫外アルゴンレーザーと Ho: YAGレーザーの作用を比較した。Ho: YAG レーザーは紫外アルゴンレーザーと比較して蒸散効率が劣るものの...
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Veröffentlicht in: | 日本レーザー医学会誌 1994, Vol.15(2), pp.29-36 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 近年, 泌尿器科領域において尿管及び尿道狭窄に対するレーザー治療の研究が積極的に行われている。しかし, これらのレーザー治療は従来の内視鏡下の治療法と比較して, 出血が少ない等術中合併症は軽減しているが, 再狭窄を生じやすいという欠点が認められている。我々は尿管及び尿道の狭窄に対して術後再狭窄がなく, 簡便でかつ安全な手技によるレーザー治療の開発を目的として基礎的研究を行った。まず, 尿路狭窄に対する最適な治療用のレーザーを選択するために基礎実験を行い, 紫外アルゴンレーザーと Ho: YAGレーザーの作用を比較した。Ho: YAG レーザーは紫外アルゴンレーザーと比較して蒸散効率が劣るものの照射部周囲組織に対する熱変性効果は弱く, 再狭窄防止の観点から尿路狭窄治療に最も適していると考えられた。また, 簡便な治療法を確立するために尿路狭窄治療用のマルチファイバーカテーテルを開発し, ガイドワイヤー先行ガイド方式による照射方法を採用して基礎的に検討した。線維化尿路狭窄のモデル犬を作成して, HO: YAG レーザー又は紫外アルゴンレーザーとマルチファイバーカテーテルを併用した治療を試みたところ, 紫外線アルゴンレーザーでは 11週間, Ho: YAG レーザーでは6か月間観察して, 再狭窄の発生は認められなかった。以上の結果から, 本法は尿路狭窄治療に有用であると考えられた。 |
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ISSN: | 0288-6200 1881-1639 |
DOI: | 10.2530/jslsm1980.15.2_29 |