ロングパルスエキシマレーザーの組織蒸散能およびファイバー導光に関する研究

われわれは従来より, エキシマレーザーを血管形成衛に応用するための実験を行うてきたが, 使燭してきた日本電池社製エキシマレーザー装置EXL200のパルス幅が20nsとショートパルスタイプであったため, ファイバー入射面が破損しやすく十分なファイバー出射端出力が得られていなかった。この問題の解決のために, レーザー装置に改良を加えパルス幅を20nsから70nsへ延長できたので,ロングパルス化に伴う組織蒸散能の変化ならびにファイバー導光について基礎的実験を行った. 先ずブタ心筋標本を用いた組織蒸散能の実験では, 照射ショット数および照射繰り返し頻度の増加に伴い. 500ショットならびに60ppsま...

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Veröffentlicht in:日本レーザー医学会誌 1991, Vol.12(2), pp.3-10
Hauptverfasser: 荻野, 均, 岡林, 均, 岡本, 好史, 伴, 敏彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:われわれは従来より, エキシマレーザーを血管形成衛に応用するための実験を行うてきたが, 使燭してきた日本電池社製エキシマレーザー装置EXL200のパルス幅が20nsとショートパルスタイプであったため, ファイバー入射面が破損しやすく十分なファイバー出射端出力が得られていなかった。この問題の解決のために, レーザー装置に改良を加えパルス幅を20nsから70nsへ延長できたので,ロングパルス化に伴う組織蒸散能の変化ならびにファイバー導光について基礎的実験を行った. 先ずブタ心筋標本を用いた組織蒸散能の実験では, 照射ショット数および照射繰り返し頻度の増加に伴い. 500ショットならびに60ppsまで蒸散された組織の深さの増加がみられたが, 以後はプラトーに達する傾向にあった。また, 変色域の広がりは, 照射ショット数および繰り返し頻度の増加とともに拡大し, 熱の蓄積が示唆された。さらに70nsの場合, 20nsの場合に比し, 全体的に変色域の広がりが大きく, 熱損傷を思わせる変性がやや強い傾向にあった。 次にファイバー導光の実験では, コア径400μmの紫外線用石英ファイバーに導光した塲合, 20nsでは出射端で4mJ/pulse (32mJ/mm2) の出力であったのに比べ, 70nsでは16mJ/pulse (128mJ/mm2) の高出力が安定して得られた。またブタ大動脈壁を用いたファイバー照射による組織蒸散能の比較では, 70nsの場合熱揖傷を思わせる変性がやや強いものの, 20nsの場合に比べ蒸散能の有意な低下を認めなかった。従って, 20nsから70nsへのパルス幅延長に伴い熱損傷がやや強くなる傾向にあったが, 組織蒸散能に有愈な差を認めず. 逆にファイバーへの導光が簡単なものとなり, ファイバー出射端でも高出力が安定して得られ, 血管形成術への応用が容易なものとなった。
ISSN:0288-6200
1881-1639
DOI:10.2530/jslsm1980.12.2_3