電気刺激による培養ヒト皮膚線維芽細胞の血管内皮細胞増殖因子 (VEGF) mRNA発現量およびコラーゲン放出量の変化

「要約」「背景」: 現在, 褥瘡に対する電気刺激による治癒促進の可能性が報告されている(褥瘡予防・管理ガイドライン推奨度B)が, 電気刺激治療のプロトコールが定まっていない. 電気刺激療法の確立には, 種々の電気刺激条件に対する細胞反応の変化の計測が必要とされる. 「目的」: 本研究では, 培養ヒト皮膚線維芽細胞に各種電気刺激を与え, VEGF mRNA発現量およびI型コラーゲン放出量に着目し, 種々の電気刺激条件との関連を検討した. 「方法」: 電気刺激条件は, 方向(水平と垂直), 矩形波(直流波とパルス波), 強度(0, 100, 200, 400μAの4強度)とした. 刺激時間は40分...

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Veröffentlicht in:日本臨床生理学会雑誌 2021-12, Vol.51 (5), p.171-177
Hauptverfasser: 山下朝美, 高畠孝児, 花城和彦, 砂川昌範
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要約」「背景」: 現在, 褥瘡に対する電気刺激による治癒促進の可能性が報告されている(褥瘡予防・管理ガイドライン推奨度B)が, 電気刺激治療のプロトコールが定まっていない. 電気刺激療法の確立には, 種々の電気刺激条件に対する細胞反応の変化の計測が必要とされる. 「目的」: 本研究では, 培養ヒト皮膚線維芽細胞に各種電気刺激を与え, VEGF mRNA発現量およびI型コラーゲン放出量に着目し, 種々の電気刺激条件との関連を検討した. 「方法」: 電気刺激条件は, 方向(水平と垂直), 矩形波(直流波とパルス波), 強度(0, 100, 200, 400μAの4強度)とした. 刺激時間は40分に設定し, パルス波の条件はパルス幅250ms, 周波数2Hzとした. VEGF mRNA発現量は逆転写real-time PCR, I型コラーゲン濃度はELISA法を用いて測定した. 「結果」: VEGF mRNA発現量は, 刺激方向および矩形波による違いを認めず, 何れも刺激強度400μAで有意に増加した(p < 0.05). I型コラーゲン分泌量は400μAの水平方向直流刺激で有意に増加した(p < 0.01). 「結論」: VEGF mRNAの発現量およびI型コラーゲン分泌量は電流量依存性に増加し, 特に400μAで最も増加した. 有効な電気刺激方法のさらなる検討が必要である.
ISSN:0286-7052