働き盛り世代における心血管リスク相互の関連性
背景:心血管リスクを複数有する多疾患併存状態およびその際のリスク相互の関連性に関しては十分に解明されていない. 対象と方法:東武鉄道(株)全社員6220 名の定期健康診断結果のうち,年齢,BMI,血圧値(収縮期圧,拡張期圧),尿酸値,HbA1c 値,LDL-C 値,eGFR 値の8 項目を心血管リスクとして取り上げ,それぞれの重症度および治療の有無と各指標値間の関連性について解析した. 結果:血圧と年齢およびBMI との間に有意の正相関がみられたほか,未治療の中等度ないし高度高血圧者のうち,腎機能が低下している群で収縮期血圧値とeGFR 値の間に有意の負の相関,HbA1c 高値群では収縮期血圧...
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Veröffentlicht in: | 日本臨床生理学会雑誌 2021/08/01, Vol.51(3), pp.127-136 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 背景:心血管リスクを複数有する多疾患併存状態およびその際のリスク相互の関連性に関しては十分に解明されていない. 対象と方法:東武鉄道(株)全社員6220 名の定期健康診断結果のうち,年齢,BMI,血圧値(収縮期圧,拡張期圧),尿酸値,HbA1c 値,LDL-C 値,eGFR 値の8 項目を心血管リスクとして取り上げ,それぞれの重症度および治療の有無と各指標値間の関連性について解析した. 結果:血圧と年齢およびBMI との間に有意の正相関がみられたほか,未治療の中等度ないし高度高血圧者のうち,腎機能が低下している群で収縮期血圧値とeGFR 値の間に有意の負の相関,HbA1c 高値群では収縮期血圧値とHbA1c 値の間に有意の正相関を認めた.また,高血圧群では正常血圧群に比して高尿酸,高HbA1c および低eGFR 状態を有する者の割合が有意に多かった.一方,尿酸およびHbA1c 単独高値群,他リスクとの組み合わせ高値群いずれも,リスクの正常群に比べて血圧が有意に高値,eGFR が有意に低値であった.治療の要否を基準に解析すると,血圧・HbA1c・eGFR の3者の関連性,ならびに尿酸・LDL-C・eGFR の3者の関連性が強いと考えられた. 結論:企業の健康診断結果を分析した結果,加齢,肥満,高血圧,高尿酸,高血糖,高脂質および腎機能低下などの心血管リスクは互いにリンクしており,それぞれの治療に際しては,他の指標も考慮し総合的に治療戦略を立てることが重要であると結論された. |
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ISSN: | 0286-7052 2435-1695 |
DOI: | 10.34363/jocp.51.3_127 |