肺音診療の進歩:肺音解析は喘息患者の気道狭窄だけではなく気道炎症も検出できる
「はじめに」聴診で聴く呼吸音は, 呼吸による空気が気道内を流れる際, 流速が速い太い気道 (気管~第9次分岐気管支), 特に第2次~4次分岐気管支の中枢の気道で乱流が発生し, 発生した乱流の振動で気道壁が振動して呼吸音が発生し, それが肺組織や胸壁を伝わって聴こえる. 一方, 末梢気道 (第15次分岐以下) に行くほど断面積の総和は大きくなり, 気流速度は低下し, ゆっくりした流れになり, 層流になるので呼吸音は発生しない. 乱流か層流かはレイノルズ数で決まり, 2,000以上になれば乱流が発生すると言われている. レイノルズ数は流れを特徴づける数で (レイノルズ数=流体の密度×速度×直径/流...
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Veröffentlicht in: | 日本臨床生理学会雑誌 2019/05/01, Vol.49(2), pp.75-82 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」聴診で聴く呼吸音は, 呼吸による空気が気道内を流れる際, 流速が速い太い気道 (気管~第9次分岐気管支), 特に第2次~4次分岐気管支の中枢の気道で乱流が発生し, 発生した乱流の振動で気道壁が振動して呼吸音が発生し, それが肺組織や胸壁を伝わって聴こえる. 一方, 末梢気道 (第15次分岐以下) に行くほど断面積の総和は大きくなり, 気流速度は低下し, ゆっくりした流れになり, 層流になるので呼吸音は発生しない. 乱流か層流かはレイノルズ数で決まり, 2,000以上になれば乱流が発生すると言われている. レイノルズ数は流れを特徴づける数で (レイノルズ数=流体の密度×速度×直径/流体の粘性係数), レイノルズ数が小さい間は層流で, 臨海レイノルズ数 (2,000以上) を超えると乱流になる. さらに, 肺は, 低い周波数は通過させるが (low pass filter), 高い周波数は吸収され伝わらない (high cut filter) という性質があり, 肺のフィルター効果と呼ばれる. |
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ISSN: | 0286-7052 2435-1695 |
DOI: | 10.34363/jocp.49.2_75 |