流路下で再構成血液の白色血栓形成における血小板製剤の寄与を評価する新しい定量法
【背景と目的】現在,血小板(Platelet:PLT)製剤の品質評価は,検査材料としてのPLTのみを分析する一連のin vitro試験で行われている.しかしながら,連続的な止血過程に近い条件下でPLT生理機能を評価することが理想的である.そこで本研究では,マイクロチャンバーを用いて,一定のせん断応力(600/s),赤血球(Red blood cell:RBC)および血漿の存在下,PLT製剤の血栓形成能を評価するin vitroシステムの開発を試みた.【材料と方法】血液サンプルは,PLT製剤,標準ヒト血漿(Standard human plasma:SHP),標準RBCを混合して再構成した.各成...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血細胞治療学会誌 2023/08/25, Vol.69(4), pp.553-561 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 【背景と目的】現在,血小板(Platelet:PLT)製剤の品質評価は,検査材料としてのPLTのみを分析する一連のin vitro試験で行われている.しかしながら,連続的な止血過程に近い条件下でPLT生理機能を評価することが理想的である.そこで本研究では,マイクロチャンバーを用いて,一定のせん断応力(600/s),赤血球(Red blood cell:RBC)および血漿の存在下,PLT製剤の血栓形成能を評価するin vitroシステムの開発を試みた.【材料と方法】血液サンプルは,PLT製剤,標準ヒト血漿(Standard human plasma:SHP),標準RBCを混合して再構成した.各成分は,他の二成分を定値とし連続的に希釈した.このサンプルをフローチャンバーシステム(Total Thrombus-formation Analysis System[T-TAS])に供して,大動脈せん断応力条件で白色血栓形成(White thrombus formation:WTF)を評価した.【結果】試験サンプルのPLT数とWTFは良好な相関性を示した.SHP 10%以下含むサンプルのWTFは,SHP 40%以上含むサンプルより有意に低値であり,SHP 40%~100%の範囲では差を認めなかった.赤血球非存在下においてWTFは有意に低下したが,赤血球存在下においてWTFはヘマトクリット値12.5%~50%の範囲で差を認めなかった.【結論】再構成血液を用いてT-TASで評価されたWTFは,PLT製剤の品質を定量的に判断するための新しい生理学的血栓試験として役立つと考えられる. |
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ISSN: | 1881-3011 1883-0625 |
DOI: | 10.3925/jjtc.69.553 |