令和4年度血液製剤使用実態調査報告: ウィズコロナ時代の血液製剤の使用について

2021年度の日本における輸血用血液製剤,血漿分画製剤の使用実態を調査した.日本赤十字社から血液製剤が供給された施設の51%から回答が得られ,総血液製剤量は供給された血液製剤の81%が登録される調査となった.コロナ禍の前後で,輸血実施施設数は減少し,特に小規模施設の減少がみられた.自己血輸血全体では,推定輸血患者数,実施施設数,年間使用単位数は減少傾向を示したが,希釈式自己血使用施設は増加傾向を示した.輸血用血液製剤は各製剤の一病床当たりの年間使用単位に大きな変化はなかったが,大規模施設では一病床当たりのグロブリン製剤の年間使用量の増加傾向を認めた.血液製剤の廃棄率は赤血球製剤および血漿製剤で...

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Veröffentlicht in:日本輸血細胞治療学会誌 2023/08/25, Vol.69(4), pp.530-537
Hauptverfasser: 藤原, 慎一郎, 岡本, 好雄, 北澤, 淳一, 佐藤, 智彦, 牧野, 茂義, 安村, 敏, 山本, 晃士, 横濱, 章彦, 米村, 雄士, 菅野, 仁, 田中, 朝志
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:2021年度の日本における輸血用血液製剤,血漿分画製剤の使用実態を調査した.日本赤十字社から血液製剤が供給された施設の51%から回答が得られ,総血液製剤量は供給された血液製剤の81%が登録される調査となった.コロナ禍の前後で,輸血実施施設数は減少し,特に小規模施設の減少がみられた.自己血輸血全体では,推定輸血患者数,実施施設数,年間使用単位数は減少傾向を示したが,希釈式自己血使用施設は増加傾向を示した.輸血用血液製剤は各製剤の一病床当たりの年間使用単位に大きな変化はなかったが,大規模施設では一病床当たりのグロブリン製剤の年間使用量の増加傾向を認めた.血液製剤の廃棄率は赤血球製剤および血漿製剤で減少を認めた.輸血管理体制では,小規模施設における輸血管理体制の整備,臨床輸血看護師の配置,グロブリン製剤や回収式自己血輸血への輸血部門の関与が課題であった.血液製剤の適正使用の評価やそれを業務として認識している施設は少なかった.
ISSN:1881-3011
1883-0625
DOI:10.3925/jjtc.69.530