奄美群島から,地域における血液供給拠点が撤退した結果,何が変わったか・第3報

2018年奄美大島にあった血液備蓄所が撤退し,血液需給に悪影響を及ぼしたことを2019年,2020年に本学会で報告した.報告以後の4つの事象の検証を行った.1.喜界島血液緊急融通を構築し,血液到着所要時間を最大12時間短縮できることが確認された.2.「鹿児島県内離島における緊急時の血液搬送体制」を検証したが,天候,条件,運用の観点から現実的な利用が困難であることが確認された.3.台風時航空機運航・欠航情報のリアルタイム情報共有システムを構築し,運航状況を予測した血液製剤の発注が可能となった.4.奄美大島緊急時供血者登録制度による供血者登録を献血バス来島時の年1回から2回に増やした.また,島内す...

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Veröffentlicht in:日本輸血細胞治療学会誌 2023/06/26, Vol.69(3), pp.457-463
Hauptverfasser: 堀, 良子, 抜迫, 雄大, 上野, 伸広, 牧, 紀仁, 瀬戸山, 志穂, 入江, 良彦, 大木, 浩
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:2018年奄美大島にあった血液備蓄所が撤退し,血液需給に悪影響を及ぼしたことを2019年,2020年に本学会で報告した.報告以後の4つの事象の検証を行った.1.喜界島血液緊急融通を構築し,血液到着所要時間を最大12時間短縮できることが確認された.2.「鹿児島県内離島における緊急時の血液搬送体制」を検証したが,天候,条件,運用の観点から現実的な利用が困難であることが確認された.3.台風時航空機運航・欠航情報のリアルタイム情報共有システムを構築し,運航状況を予測した血液製剤の発注が可能となった.4.奄美大島緊急時供血者登録制度による供血者登録を献血バス来島時の年1回から2回に増やした.また,島内すべての医療機関に輸血医療に対するアンケート調査を実施した結果,奄美大島の医療機関は備蓄所設置を渇望していることが明らかになった.離島の血液需給の困難は解決できず,内地との格差が現存している.
ISSN:1881-3011
1883-0625
DOI:10.3925/jjtc.69.457