血縁者間HLA不適合造血幹細胞移植関連血栓性微小血管症に対する血漿交換療法

【目的】難治性造血器腫瘍に対して,ステロイドを用いた血縁者間HLA不適合造血幹細胞移植は有効な手段であるが合併症も多い.移植関連血栓性微小血管症(TA-TMA)は特に治療に難渋する合併症だが,血漿交換療法(PE)が時に奏効する.TA-TMAに対するPEの臨床的意義について,血縁者間HLA不適合造血幹細胞移植での報告は少なく,今回検討した.【方法】2016年10月から2021年9月に,血縁者間HLA不適合造血幹細胞移植後にTA-TMAを発症しPEを施行した22例を,後方視的に検討した.【結果】年齢中央値は36歳.非寛解期21例,両方のHLAハプロタイプが異なる移植4例.移植回数2回目10例,3回...

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Veröffentlicht in:日本輸血細胞治療学会誌 2023/06/26, Vol.69(3), pp.411-417
Hauptverfasser: 北川, 順一, 福永, 景子, 大島, 有美, 木下, 聖次郎, 渡邉, 宜典, 臼田, 直美, 笠原, 千嗣, 池本, 純子, 池亀, 和博
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【目的】難治性造血器腫瘍に対して,ステロイドを用いた血縁者間HLA不適合造血幹細胞移植は有効な手段であるが合併症も多い.移植関連血栓性微小血管症(TA-TMA)は特に治療に難渋する合併症だが,血漿交換療法(PE)が時に奏効する.TA-TMAに対するPEの臨床的意義について,血縁者間HLA不適合造血幹細胞移植での報告は少なく,今回検討した.【方法】2016年10月から2021年9月に,血縁者間HLA不適合造血幹細胞移植後にTA-TMAを発症しPEを施行した22例を,後方視的に検討した.【結果】年齢中央値は36歳.非寛解期21例,両方のHLAハプロタイプが異なる移植4例.移植回数2回目10例,3回目以上9例.GVHD予防はタクロリムス+メチルプレドニゾロンを用いた.PEは15例(68.2%)において有効で,有効例ではTA-TMA発症からPE開始までの期間がやや短かった.PE中に3例で心不全徴候を認めたが可逆性であった.同種移植後100日生存率は50.0%,1年生存率は9.1%であった.【結論】血縁者間HLA不適合造血幹細胞移植後のTA-TMAに対しPEは有効かつ安全である可能性がある.
ISSN:1881-3011
1883-0625
DOI:10.3925/jjtc.69.411