救命救急センター初療室への超緊急輸血製剤常備配置の運用について
輸血療法は緊急患者の救命に重要な役割を果たす.福島県立医科大学附属病院の超緊急輸血の依頼件数は増加傾向にあり,休日及び夜勤帯の人員不足時における製剤搬送遅延緩和のため,2019年7月末より救命救急センター初療室内の輸血専用保冷庫にO型RhD陽性赤血球製剤6単位を常備する運用を開始した.常備製剤は,時間帯を問わず製剤搬送時間を待てない症例では積極的に使用されており,検査や人員確保までの時間を効果的に補填していると考えられる.例えば,超緊急時に製剤準備を省略できるため,検査を優先し集中して行うことで患者血液型の報告を早めることができた.また,製剤使用開始時間は,運用に慣れた期間後半では短縮傾向とな...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血細胞治療学会誌 2023/02/25, Vol.69(1), pp.32-37 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 輸血療法は緊急患者の救命に重要な役割を果たす.福島県立医科大学附属病院の超緊急輸血の依頼件数は増加傾向にあり,休日及び夜勤帯の人員不足時における製剤搬送遅延緩和のため,2019年7月末より救命救急センター初療室内の輸血専用保冷庫にO型RhD陽性赤血球製剤6単位を常備する運用を開始した.常備製剤は,時間帯を問わず製剤搬送時間を待てない症例では積極的に使用されており,検査や人員確保までの時間を効果的に補填していると考えられる.例えば,超緊急時に製剤準備を省略できるため,検査を優先し集中して行うことで患者血液型の報告を早めることができた.また,製剤使用開始時間は,運用に慣れた期間後半では短縮傾向となり,来院3分以内に輸血が開始された例もみられた.必要時,迅速に使用できるO型RBCの常備配置は救命への大きな利点となりえる. |
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ISSN: | 1881-3011 1883-0625 |
DOI: | 10.3925/jjtc.69.32 |