群馬県合同輸血療法委員会輸血関連看護師会による輸血研修会~輸血療法の均てん化を目指して
「はじめに」輸血における看護師の業務は, 検査用検体の採取から輸血の準備・実施, 患者の観察, 輸血副反応への対応など他の職種に比べ幅広く, 看護師の果たす役割は大きい. 輸血過誤の報告では, 過誤の当事者として看護師が最も多くなっており, 安全な輸血療法の実施には患者に最も近いところで輸血に関与する看護師が正しい知識と的確な看護能力を有することが重要である. 2010年には, 臨床輸血に精通した看護師の育成を目的として日本輸血・細胞治療学会による学会認定・臨床輸血看護師制度が導入され, 学会認定・臨床輸血看護師(以下, 臨床輸血看護師)がその知識と経験を活かし安全な輸血に寄与している. しか...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血細胞治療学会誌 2021/02/25, Vol.67(1), pp.53-57 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」輸血における看護師の業務は, 検査用検体の採取から輸血の準備・実施, 患者の観察, 輸血副反応への対応など他の職種に比べ幅広く, 看護師の果たす役割は大きい. 輸血過誤の報告では, 過誤の当事者として看護師が最も多くなっており, 安全な輸血療法の実施には患者に最も近いところで輸血に関与する看護師が正しい知識と的確な看護能力を有することが重要である. 2010年には, 臨床輸血に精通した看護師の育成を目的として日本輸血・細胞治療学会による学会認定・臨床輸血看護師制度が導入され, 学会認定・臨床輸血看護師(以下, 臨床輸血看護師)がその知識と経験を活かし安全な輸血に寄与している. しかし, 輸血の頻度が低い小規模施設においては, 臨床輸血看護師のいる施設が少なく, 院内の輸血教育が不十分であるため看護師が不安を感じながら輸血業務を行っている現状がある. 2018年に群馬県赤十字血液センター(以下, 血液センター)が輸血用血液製剤を供給した145施設のうち90.3%の131施設が300床未満の小規模施設であり, 群馬県合同輸血療法委員会(以下, 合同輸血療法委員会)によるアンケート調査をもとに実施した血液センター医薬情報担当者の訪問活動では「臨床輸血看護師がおらず, 疑問に思ったことを院内の誰に聞けば良いか分からない」「当院の輸血の実施方法が本当に正しいのか不安に感じる」「輸血教育が十分とは言えない」といった声を耳にした. |
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ISSN: | 1881-3011 1883-0625 |
DOI: | 10.3925/jjtc.67.53 |