血液製剤中の不規則抗体検査陽性率と交差適合試験副試験の必要性について
交差適合試験は輸血をする上で,受血者と供血者の適合性を確認する重要な検査であり,主試験と副試験がある.「輸血療法の実施に関する指針」では,供血者の血液型検査を行い,間接抗グロブリン試験を含む不規則抗体スクリーニングが陰性であり,かつ患者の血液型検査が適正に行われていればABO同型血液使用時の副試験は省略してもよいとされ,日本赤十字社血液センターから供給される血液製剤はこれに該当する.したがって交差適合試験時に副試験を実施している施設は少ないと思われる.当院では,感染症患者でまれに検出される汎血球凝集反応や血液製剤中の不規則抗体の存在が,病態にあたえる影響が大きいと思われる5歳以下の患児において...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血細胞治療学会誌 2019/12/20, Vol.65(6), pp.865-869 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 交差適合試験は輸血をする上で,受血者と供血者の適合性を確認する重要な検査であり,主試験と副試験がある.「輸血療法の実施に関する指針」では,供血者の血液型検査を行い,間接抗グロブリン試験を含む不規則抗体スクリーニングが陰性であり,かつ患者の血液型検査が適正に行われていればABO同型血液使用時の副試験は省略してもよいとされ,日本赤十字社血液センターから供給される血液製剤はこれに該当する.したがって交差適合試験時に副試験を実施している施設は少ないと思われる.当院では,感染症患者でまれに検出される汎血球凝集反応や血液製剤中の不規則抗体の存在が,病態にあたえる影響が大きいと思われる5歳以下の患児において,間接的な血液型確認も兼ねて交差適合試験の副試験を実施している.今回,5歳以下の患児で血液製剤中の不規則抗体により,交差適合試験の副試験が陽性となった症例を経験し,使用済み血液製剤725本の血漿における不規則抗体スクリーニング陽性件数の割合について検討を行ったところ,11本がPEG-IAT陽性(1.52%)であった.血液製剤中の不規則抗体検出率を考慮し,副試験を実施するのであれば影響を受けやすいと思われる乳幼児を対象とすることが現実的と考えられた. |
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ISSN: | 1881-3011 1883-0625 |
DOI: | 10.3925/jjtc.65.865 |