造血幹細胞ドナーの確保と血液事業との連携について

骨髄バンク事業では,骨髄バンクドナー登録(ドナー登録)者の確保が課題となっている.日本赤十字社は造血幹細胞提供支援機関としてドナー登録希望者の受付,検査,情報管理を実施するとともに,日本骨髄バンクの依頼に基づきドナー登録者の募集に関する協力を行っている.今回我々は,血液事業のスケールメリットを活用した課題解決策を検討した.近年はドナー登録の97.7%が献血会場で実施されていた.2016年末に新規ドナー登録希望者へ献血歴について聞き取り調査をしたところ,献血会場におけるドナー登録希望者の80.8%に2年以内の献血歴があった.同意が得られたドナー登録者からの献血者コードの提供は2017年5月より導...

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Veröffentlicht in:日本輸血細胞治療学会誌 2019/08/25, Vol.65(4), pp.741-745
Hauptverfasser: 畑段, 孝人, 千原, 志保, 鈴木, 秀夫, 折口, 智晴, 加藤, 和江, 古館, 賢一, 木村, 貴文, 高梨, 美乃子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:骨髄バンク事業では,骨髄バンクドナー登録(ドナー登録)者の確保が課題となっている.日本赤十字社は造血幹細胞提供支援機関としてドナー登録希望者の受付,検査,情報管理を実施するとともに,日本骨髄バンクの依頼に基づきドナー登録者の募集に関する協力を行っている.今回我々は,血液事業のスケールメリットを活用した課題解決策を検討した.近年はドナー登録の97.7%が献血会場で実施されていた.2016年末に新規ドナー登録希望者へ献血歴について聞き取り調査をしたところ,献血会場におけるドナー登録希望者の80.8%に2年以内の献血歴があった.同意が得られたドナー登録者からの献血者コードの提供は2017年5月より導入し,その後1年間の調査で84.9%の記入率であった.ドナー登録者集団は非常に高い割合で献血者集団に含まれていることが示され,献血を契機とするドナー登録者の確保が効率的なドナー登録者募集への協力であると考えられる.また,日本赤十字社が管理するドナー登録者情報と献血者情報を連携することで,データの同期が可能となるとともに,リクルート対象者の明確化やドナー登録者の保護などが期待される.
ISSN:1881-3011
1883-0625
DOI:10.3925/jjtc.65.741