Daratumumabの間接抗グロブリン試験および直接抗グロブリン試験に対する異なる作用 : K抗原の反応性を維持しDaratumumabの偽陽性反応を解消する0.01mol/l DTTを用いた新たな対処法 (大阪法)
【背景】Daratumumab (DARA) はCD38を認識するIgG1κモノクローナル抗体 (MoAb) であり, 再発/難治性の多発性骨髄腫患者の治療薬として需要が増加している. しかし, DARAは間接抗グロブリン試験において汎反応性の凝集を呈する. さらに, DARAの生体内での作用は不明な点も多い. 【対象および方法】DARAによる偽陽性反応への対処法として自動血球洗浄遠心機を用いた新しい方法を開発するために, 様々な濃度のDTTを用いて赤血球膜上のCD38とKell抗原に対する効果を検討すると共に, AABBの標準的な方法と比較した. 【結果】0.01mol/l DTT処理赤血球...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血細胞治療学会誌 2019-02, Vol.65 (1), p.117-127 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【背景】Daratumumab (DARA) はCD38を認識するIgG1κモノクローナル抗体 (MoAb) であり, 再発/難治性の多発性骨髄腫患者の治療薬として需要が増加している. しかし, DARAは間接抗グロブリン試験において汎反応性の凝集を呈する. さらに, DARAの生体内での作用は不明な点も多い. 【対象および方法】DARAによる偽陽性反応への対処法として自動血球洗浄遠心機を用いた新しい方法を開発するために, 様々な濃度のDTTを用いて赤血球膜上のCD38とKell抗原に対する効果を検討すると共に, AABBの標準的な方法と比較した. 【結果】0.01mol/l DTT処理赤血球およびAABB処理赤血球 (我々の方法では0.15mol/l DTTに相当) では, PE標識抗CD38 MoAbやDARAとの反応性は著しく低下した. また, AABB処理赤血球ではK抗原の反応性が消失したが, 0.01mol/l DTT処理赤血球ではK抗原の反応性は減弱するもののその反応性は保持することが出来た. さらに, DARA感作赤血球においても0.01mol/l DTT処理後でK抗原の解析は可能となった. 一方, DARA投与中MM患者のDATは弱陽性または陰性であった. さらに, イムノブロットによりDARAがin vivoではCD38を消失させることを示した. 【考案】今回, 我々はKell抗原の反応性は減弱するもののその反応性は保持したまま, DARAによる偽陽性反応を解消できる簡便な方法 (大阪法) を提示した. 大阪法ではDARA感作赤血球においてもCD38抗原性を消失させることが出来た. さらにDARAはin vitroでのIATとin vivoにおけるDATに関して異なった影響を及ぼすことも明らかにした. |
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ISSN: | 1881-3011 |