抗Jkaを保有する重症感染症患者へのJka不適合赤血球を含有する顆粒球輸血
再生不良性貧血治療中に重症感染症を併発し,保有する抗Jkaと不適合である赤血球を含む顆粒球を輸血したが,溶血反応が観察されなかった10歳代女児症例を経験した.患者は抗Jka(力価1倍)を保有していたが,免疫抑制療法中に敗血症と多臓器不全に陥ったため,やむを得ず不適合赤血球を含む同種顆粒球輸血を実施した.ドナーとして選定された近親者は,輸血前のドナー検査によりJk(a+b-)でJka不適合であることが判明した.しかし,患者の容態が急速に悪化し,時間的猶予がなく,ABO型一致,適合率約30%であるJk(a-)ドナーを探し出すことが出来なかったため,Jk(a+)赤血球(計160ml)を含む顆粒球輸血...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血細胞治療学会誌 2016/09/01, Vol.62(5), pp.610-614 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 再生不良性貧血治療中に重症感染症を併発し,保有する抗Jkaと不適合である赤血球を含む顆粒球を輸血したが,溶血反応が観察されなかった10歳代女児症例を経験した.患者は抗Jka(力価1倍)を保有していたが,免疫抑制療法中に敗血症と多臓器不全に陥ったため,やむを得ず不適合赤血球を含む同種顆粒球輸血を実施した.ドナーとして選定された近親者は,輸血前のドナー検査によりJk(a+b-)でJka不適合であることが判明した.しかし,患者の容態が急速に悪化し,時間的猶予がなく,ABO型一致,適合率約30%であるJk(a-)ドナーを探し出すことが出来なかったため,Jk(a+)赤血球(計160ml)を含む顆粒球輸血を施行した.顆粒球輸血後,直接抗グロブリン試験は陽転せず,抗Jkaも上昇しなかった.患者の生化学検査および輸血関連検査から,不適合Jk(a+)赤血球の溶血は観察されなかった. |
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ISSN: | 1881-3011 1883-0625 |
DOI: | 10.3925/jjtc.62.610 |