当センターにおける不規則抗体陽性妊婦と出生児溶血性疾患についての考察

当センターで不規則抗体検査を実施した妊産婦について,不規則抗体の種類,溶血性疾患発症状況とその治療内容(胎児輸血,交換輸血,新生児輸血,光線療法,γグロブリン製剤投与)について集計し,考察を試みたので報告する. 2003年2月~2011年7月に不規則抗体検出検査を行った13,902検体中,冷式抗体を除いた不規則抗体陽性数は279件(2.0%),妊産婦数では8,251名中不規則抗体陽性者は89名(1.1%)で,その内訳はRh系47名(52.8%),MNSs系19名(21.3%),その他の抗体15名(16.9%),同定不可8名(9.0%)であった.これらの妊産婦から出生した児83例中,溶血・黄疸で...

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Veröffentlicht in:日本輸血細胞治療学会誌 2013, Vol.59(3), pp.486-491
Hauptverfasser: 稲岡, 千佳子, 矢原, 健, 安井, 昌博
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:当センターで不規則抗体検査を実施した妊産婦について,不規則抗体の種類,溶血性疾患発症状況とその治療内容(胎児輸血,交換輸血,新生児輸血,光線療法,γグロブリン製剤投与)について集計し,考察を試みたので報告する. 2003年2月~2011年7月に不規則抗体検出検査を行った13,902検体中,冷式抗体を除いた不規則抗体陽性数は279件(2.0%),妊産婦数では8,251名中不規則抗体陽性者は89名(1.1%)で,その内訳はRh系47名(52.8%),MNSs系19名(21.3%),その他の抗体15名(16.9%),同定不可8名(9.0%)であった.これらの妊産婦から出生した児83例中,溶血・黄疸で治療を要した児は21例(25.3%),治療例の内,さらに胎児輸血・交換輸血・新生児輸血を実施した症例は10例(12.0%)であった.不規則抗体の種類別に見ると,抗D抗体とRh系複合抗体保有例の母体より出生した児の治療率は他の不規則抗体症例に比べて高く,加えて輸血を必要とした症例もこれらの群で多く見られた.また,抗M,抗Jra抗体保有例においても重症例が認められた.
ISSN:1881-3011
1883-0625
DOI:10.3925/jjtc.59.486