2. 新生児の同型輸血実施円滑化に向けた取り組み

【はじめに】患者と同型の血液を輸血するには, リスクマネージメントの観点から別採血の検体での血液型確認が重要である. 当院では採血困難な新生児に対して輸血までに円滑な血液型確認を行う為の取り組みを開始したので, その現状を報告する. 【方法】平成21年9月末より周産期センターより提出された血算残検体は, 血液型履歴のない児に限り, 検査依頼がなくても血液型検査を実施し, 輸血システムに登録する運用(残検体利用運用)を開始した. 本運用開始前後の平成20年と平成22年における0歳児の輸血実施状況を比較した. 【結果】平成20年の輸血実施症例数は24例で, 内3例が1検体輸血であったが, 同22年...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本輸血細胞治療学会誌 2012, Vol.58 (1), p.86-86
Hauptverfasser: 鴨川康代, 志磨美緒, 小松美保, 平松潔子, 増田有美子, 渡邊由香理, 河野武弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:【はじめに】患者と同型の血液を輸血するには, リスクマネージメントの観点から別採血の検体での血液型確認が重要である. 当院では採血困難な新生児に対して輸血までに円滑な血液型確認を行う為の取り組みを開始したので, その現状を報告する. 【方法】平成21年9月末より周産期センターより提出された血算残検体は, 血液型履歴のない児に限り, 検査依頼がなくても血液型検査を実施し, 輸血システムに登録する運用(残検体利用運用)を開始した. 本運用開始前後の平成20年と平成22年における0歳児の輸血実施状況を比較した. 【結果】平成20年の輸血実施症例数は24例で, 内3例が1検体輸血であったが, 同22年の実施症例数は48例で, 全く採血不能でO型赤血球を輸血した1例を除き, 全例で別採血検体での血液型確認が出来ていた. また血算残検体での血液型が登録されていたことで, 検体提出が1回で済んだ症例が3例あった. 【考察】新生児症例における残検体利用運用が採血困難症例での円滑な同型輸血の実施に寄与する可能性が示唆された.
ISSN:1881-3011