23. 会津地方県立病院間の輸血検査支援体制の現状と問題点
【はじめに】福島県立病院は, へき地地域医療を担う中核として機能しており, 特に会津地方には4病院が設立されている. 当院以外は検査技師4名以下で臨床検査業務全般を行っているが, 経済的・人員的な問題のため, 以前より各病院内でできる輸血検査には限界があった. これまで各県立病院の中核を担う当院として, 各病院の輸血検査支援を行ってきたが, その現状と問題点を調査したので報告する. 【方法】2007年4月から2011年5月までの県立病院間輸血関連当院依頼検査の総数と内訳を集計し, さらに当院を除く会津地方3県立病院輸血検査体制についての聞き取り調査から問題点の検討を行った. 【結果】当院への依...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血細胞治療学会誌 2012, Vol.58 (1), p.72-73 |
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Hauptverfasser: | , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【はじめに】福島県立病院は, へき地地域医療を担う中核として機能しており, 特に会津地方には4病院が設立されている. 当院以外は検査技師4名以下で臨床検査業務全般を行っているが, 経済的・人員的な問題のため, 以前より各病院内でできる輸血検査には限界があった. これまで各県立病院の中核を担う当院として, 各病院の輸血検査支援を行ってきたが, その現状と問題点を調査したので報告する. 【方法】2007年4月から2011年5月までの県立病院間輸血関連当院依頼検査の総数と内訳を集計し, さらに当院を除く会津地方3県立病院輸血検査体制についての聞き取り調査から問題点の検討を行った. 【結果】当院への依頼検査は, 交差適合試験67件(148本), 不規則抗体同定10件, 血液型精査3件, 自己血関連検査1件であった. 各病院とも輸血製剤の発注は薬剤部で行い, 血液型検査, 不規則抗体スクリーニング, 交差適合試験が行われているが, 全自動機器や輸血管理システムを導入している施設はなかった. また, 異常反応や陽性反応等があった場合の精査はできず, 認定輸血検査技師のいる当院へ相談されるケースがほとんどであった. 外注に出すケースもあったが結果が出るまで時間を要し, 至急対応ができないなどの問題のため, 現在ではほとんど依頼されていない. 某病院では交差伝票とセグメントチューブを当院へ運搬し, 検査施行後結果をFAXにて送り, その結果により輸血を施行している状況であった. 【考察】会津地方県立病院での輸血検査は経済的・人員的支援に余裕がない中, 数ある検査業務の一部として実施されているため, 担当検査技師は多くの労力と時間を費やしていることを本調査で再認識した. 当院が輸血業務で異常反応があった場合の相談や検査支援のサポートに関わることは, 会津地方県立病院の核としての責務であると感じる. 輸血管理一元化が定着してきた中にあって, 当院以外の県立病院はいまだ一元化ができず遅れをとっており, 安全かつ有効的な輸血提供のためには前述の問題も含め課題が残る. 今後なお協力体制を継続しながら, 各病院の輸血業務一元化を実現するための支援をしていきたい. |
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ISSN: | 1881-3011 |