3. 基幹災害医療センターにおける震災時の輸血について
当院は宮城県内に14か所ある災害医療施設の基幹災害医療センターに指定されている. 年に一度災害に対する大規模な訓練が行われており, 輸血部門を含む臨床検査科においても同様に訓練を行っている. 3月11日に発生した東日本大震災での輸血についてまとめた. 地震発生直後停電となったが, 自家発電に切り替わったため輸血検査・製剤管理状況に大きな支障はなかった. 水道については地上儒水槽及び高架水槽に大きな損傷を受けたため, 手術の実施制限・入院制限が行われた. 当院での3月11日から16日までのトリアージ数は705人であり, 外傷性の救急・輸血患者数は想定よりも少なかった. 輸血検査体制は地震発生時か...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血細胞治療学会誌 2012, Vol.58 (1), p.66-66 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 当院は宮城県内に14か所ある災害医療施設の基幹災害医療センターに指定されている. 年に一度災害に対する大規模な訓練が行われており, 輸血部門を含む臨床検査科においても同様に訓練を行っている. 3月11日に発生した東日本大震災での輸血についてまとめた. 地震発生直後停電となったが, 自家発電に切り替わったため輸血検査・製剤管理状況に大きな支障はなかった. 水道については地上儒水槽及び高架水槽に大きな損傷を受けたため, 手術の実施制限・入院制限が行われた. 当院での3月11日から16日までのトリアージ数は705人であり, 外傷性の救急・輸血患者数は想定よりも少なかった. 輸血検査体制は地震発生時からおおよその震災概要を把握できた3月13日の日勤帯までルーチン担当技師2名で行った. それ以降の夜間は担当以外の技師による複数名の当直体制で行ったが, 運用上の大きな問題はなかった. 製剤管理上の問題として, 電話が不通になり血液センターとの連絡が十数時間取れなくなった, 手術中止による自己血の廃棄, 連絡の取れない血小板製剤輸血予定の外来患者が複数いた(後に来院), 院内での血液製剤使用量の減少による有効期限切れ製剤の増加があった. 今後も, 定期的な訓練を行い非常時における体制を維持していきたい. |
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ISSN: | 1881-3011 |