12. 血液Direct PCR法によるABO血液型遺伝子解析の検討
【目的】ABO血液型遺伝子は7つのエクソンをもち, そのcDNAは355アミノ酸残基をコードする1065塩基対から成っている. 各対立遺伝子には塩基配列の違いがあり, A対立遺伝子に比べB対立遺伝子は7塩基置換, O対立遺伝子は1塩基欠失が認められる. 従って, この塩基の差異を解析することにより, ABO血液型のgenotypeの判定が可能となる. 本研究室では, 血液抽出DNAを用いた遺伝子解析法を確立しているが, 本法はPCRを行う前に血液からのDNA抽出が必要であり, 時間と手間がかかっていた. そこで, 今回DNA抽出を行わず, 直接微量の血液を用いる解析法の検討を行った. 【方法】...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血細胞治療学会誌 2011, Vol.57 (6), p.510-510 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】ABO血液型遺伝子は7つのエクソンをもち, そのcDNAは355アミノ酸残基をコードする1065塩基対から成っている. 各対立遺伝子には塩基配列の違いがあり, A対立遺伝子に比べB対立遺伝子は7塩基置換, O対立遺伝子は1塩基欠失が認められる. 従って, この塩基の差異を解析することにより, ABO血液型のgenotypeの判定が可能となる. 本研究室では, 血液抽出DNAを用いた遺伝子解析法を確立しているが, 本法はPCRを行う前に血液からのDNA抽出が必要であり, 時間と手間がかかっていた. そこで, 今回DNA抽出を行わず, 直接微量の血液を用いる解析法の検討を行った. 【方法】遺伝子増幅用試薬(Ampdirect(R) Plus, 島津製作所)を用いて, サンプルとして直接血液を添加し, PCR反応を行った. その後, PCR産物をアガロース電気泳動し, 増幅バンドのパターンからgenotypeの判定を行った. 【結果および考察】本検討により, それぞれの血液型で型特異的バンドのみを増幅することができ, 全血からABO血液型のgenotypeの判定が可能となった. 本解析法は, DNAの抽出操作が不要であり, 一段階のPCRで判定できるため, 通常のPCR法と比べて簡便・迅速で, 臨床の現場においてより実用的な解析法として有用であると考えられる. |
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ISSN: | 1881-3011 |