16. 当院における超緊急輸血症例についての解析
【はじめに】当院では患者の血液型が未確定の場合, 緊急輸血時はO型赤血球製剤を使用し, 血液型確定後に同型に切り替えるとしている. 出庫方法は, 交差適合試験は実施せずに24時間コンピュータクロスマッチで対応している. 今回, 2009年度に超緊急対応でO型赤血球製剤を輸血した症例について解析した. 【対象】症例は男性10例, 女性6例で, 年齢は4~97歳(平均60.5歳). 疾患名は, 動脈瘤破裂9例, 外傷5例, 分娩後多量出血1例, 急性心筋梗塞1例で, 全て救急搬送症例であった. 【結果】O型赤血球製剤の出庫単位数は2~10(平均6.5)単位であり, 13例が出庫分を全て使用し, そ...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血細胞治療学会誌 2011, Vol.57 (3), p.234-234 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【はじめに】当院では患者の血液型が未確定の場合, 緊急輸血時はO型赤血球製剤を使用し, 血液型確定後に同型に切り替えるとしている. 出庫方法は, 交差適合試験は実施せずに24時間コンピュータクロスマッチで対応している. 今回, 2009年度に超緊急対応でO型赤血球製剤を輸血した症例について解析した. 【対象】症例は男性10例, 女性6例で, 年齢は4~97歳(平均60.5歳). 疾患名は, 動脈瘤破裂9例, 外傷5例, 分娩後多量出血1例, 急性心筋梗塞1例で, 全て救急搬送症例であった. 【結果】O型赤血球製剤の出庫単位数は2~10(平均6.5)単位であり, 13例が出庫分を全て使用し, そのうち4例は血液型が確定するまでに追加出庫していた. 輸血オーダーから出庫に要した時間は0~11分(平均1.75分)で, 6例は患者到着前にオーダーされ用意していた. 患者到着から輸血開始までは8~71分(平均36.9分, 1例は不明)であった. 輸血検査では, 検体到着からコンピュータクロスマッチ対応になるまでの時間は26~54分で, 時間内は28~47分(平均38.3分), 時間外では26~54分(平均38.5分)であった. 対象の16例全てが不規則抗体陰性であり, その後はコンピュータクロスマッチで対応した. 【まとめ】超緊急輸血時の血液製剤オーダーに対してO型血液製剤の出庫は迅速に行われ, 臨床との大きなトラブルはなかった. また輸血検査に要した時間は, 時間内, 時間外で差はなかった. 今後はRhD陰性患者や不規則抗体陽性例に対しても十分対応できるよう検査技師のトレーニングや, 診療科と一緒にシュミレーションすることが必要である. |
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ISSN: | 1881-3011 |