1. 愛知県内献血者におけるHTLV-I抗体検査の統計調査

【はじめに】HTLV-Iは成人T細胞白血病(ATL)などの疾患を引き起こすウィルスである. 平成21年度山口班研究報告書では, 全国のキャリア数は20年前に比べ若干減少しているが, 西日本に多いとされていたキャリアが全国に拡散する傾向が見られ, 中部, 関東では増加していると報告している. 今回, 愛知県内の献血者を対象としたHTLV-I抗体検査の統計調査を行ったので報告する. またHTLV-I抗体陽性者通知の現状についても合わせて報告する. 【結果及び考察】献血者におけるHTLV-I抗体の検査は1986年から実施しているが, 陽性者に対し通知を開始したのは1999年になってからで, 通知開始...

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Veröffentlicht in:日本輸血細胞治療学会誌 2011, Vol.57 (3), p.224-224
Hauptverfasser: 鳥居紀宏, 林律子, 大矢健一, 佐藤陽子, 北折健次郎, 濱口元洋, 高松純樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【はじめに】HTLV-Iは成人T細胞白血病(ATL)などの疾患を引き起こすウィルスである. 平成21年度山口班研究報告書では, 全国のキャリア数は20年前に比べ若干減少しているが, 西日本に多いとされていたキャリアが全国に拡散する傾向が見られ, 中部, 関東では増加していると報告している. 今回, 愛知県内の献血者を対象としたHTLV-I抗体検査の統計調査を行ったので報告する. またHTLV-I抗体陽性者通知の現状についても合わせて報告する. 【結果及び考察】献血者におけるHTLV-I抗体の検査は1986年から実施しているが, 陽性者に対し通知を開始したのは1999年になってからで, 通知開始年の1999年にはHTLV-I抗体陽性率は0.32%であったが次第に減少し, 2006年からほぼ0.05%で横ばいとなった. 通知数は2000年では688件であったが, 2009年では140件まで減少した. 通知者の年齢は, 通知開始後半年間の統計では60歳以上の割合が最も高かったが, 最近では目立った年齢による差は認められない. またその居住地は, 九州からの移住者が多い地域で多い傾向が見られた. なお通知者への相談窓口として専用電話を設け, 場合により面談も行っているが, 相談件数は減少傾向にある. 相談内容としては病気に対する不安や家族への感染を心配する質問が多かった. 以上, 山口班研究報告内容とは多少異なる結果となったが, その理由として陽性通知者は以降の献血をお断りしていること, 陰性者による複数回献血を含むことが要因と思われた.
ISSN:1881-3011