神奈川県の医療機関における臨床検査技師配置状況と輸血検査の実態
平成20年に神奈川県内で輸血が実施された病院は420施設であったが,約70%の輸血は300床以上の72施設で実施されていた.これらの施設には臨床または衛生検査技師(以下検査技師)が98.0%(49/50施設)配置されていた.病床数19床以下の小規模診療施設(診療所)における輸血療法は量的には1.8%と少なかったが,実施施設数は33.6%(141/420施設)と多かったことから,19床以下の施設の輸血検査状況を把握するためにアンケート調査を実施した. この141診療所を対象としたアンケート調査より回答を得た81施設(57.4%)のうち,79.0%(64施設)では検査技師の配置がなされていなかった...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本輸血細胞治療学会誌 2011, Vol.57(3), pp.164-168 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 平成20年に神奈川県内で輸血が実施された病院は420施設であったが,約70%の輸血は300床以上の72施設で実施されていた.これらの施設には臨床または衛生検査技師(以下検査技師)が98.0%(49/50施設)配置されていた.病床数19床以下の小規模診療施設(診療所)における輸血療法は量的には1.8%と少なかったが,実施施設数は33.6%(141/420施設)と多かったことから,19床以下の施設の輸血検査状況を把握するためにアンケート調査を実施した. この141診療所を対象としたアンケート調査より回答を得た81施設(57.4%)のうち,79.0%(64施設)では検査技師の配置がなされていなかった.検査技師配置のない過半数の施設(40/64施設;62.5%)は輸血検査を外部検査センターに委託していたが,残りの施設(24/64施設;37.5%)は,診療所医師(21/24施設)や看護師(3/24施設)が検査を行っていた.血液型確認はABOオモテ検査のみ実施が16/20施設,実施していないが4/20施設であり,16/20施設では交差適合試験は,のせガラス法または生理食塩液法で行われていた.輸血副作用については調査に含まれなかったため,これらの施設における輸血の安全性については正確には評価できなかったが,検査体制は不十分であることが示唆され,行政や日本輸血・細胞治療学会,臨床衛生検査技師会,外注検査施設,地域の大規模病院,血液センターなどが連携して,より安全な輸血が実施できるよう対策・検討することを提案する. |
---|---|
ISSN: | 1881-3011 1883-0625 |
DOI: | 10.3925/jjtc.57.164 |