神戸大学病院における術前貯血式自己血輸血の現況―使用と廃棄状況について

「はじめに」血液製剤の適正使用が求められている1). これは貯血式自己血輸血に関しても例外ではないと思われる. 神戸大学医学部附属病院(920床, 以下当院)における貯血式自己血の適正使用を検討した. 「方法」2006年4月から2009年3月までの3年間における各診療科の自己血使用量と廃棄量を調査し, 自己血比率(自己血使用単位数/全赤血球使用単位数), 自己血廃棄率(廃棄自己血単位数/自己血貯血単位数)を算出した. 廃棄量(率)が多い診療科については電子カルテにより原因疾患または手術術式を調査した. 産科婦人科については, 妊娠中もしくは妊娠希望に伴い同種血輸血の回避が予想されたため, 廃棄...

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Veröffentlicht in:日本輸血細胞治療学会誌 2011, Vol.57(1), pp.51-54
Hauptverfasser: 徳野, 治, 早川, 郁代, 橋本, 誠, 楠, 信也, 山崎, 峰夫, 荻野, 智子, 杉本, 健, 西郷, 勝康, 熊谷, 俊一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」血液製剤の適正使用が求められている1). これは貯血式自己血輸血に関しても例外ではないと思われる. 神戸大学医学部附属病院(920床, 以下当院)における貯血式自己血の適正使用を検討した. 「方法」2006年4月から2009年3月までの3年間における各診療科の自己血使用量と廃棄量を調査し, 自己血比率(自己血使用単位数/全赤血球使用単位数), 自己血廃棄率(廃棄自己血単位数/自己血貯血単位数)を算出した. 廃棄量(率)が多い診療科については電子カルテにより原因疾患または手術術式を調査した. 産科婦人科については, 妊娠中もしくは妊娠希望に伴い同種血輸血の回避が予想されたため, 廃棄血から各疾患別の年齢構成も調査した. 「結果」3年間の自己血総使用量は産科婦人科で最多(603単位, 自己血比率26.4%)であり, 次いで整形外科(567.75単位, 同42.7%), 泌尿器科(365単位, 同14.5%)の順であった(Fig1). 自己血総廃棄量は産科婦人科で348.5単位と全診療科中最多であった(廃棄率36.6%).
ISSN:1881-3011
1883-0625
DOI:10.3925/jjtc.57.51