アルブミン製剤使用適正化対策とその効果
背景・目的:アルブミン製剤の自給率は依然として低く,使用の適正化が求められて久しい.アルブミン製剤投与の適正性は数値基準のみでは評価できず,これが他の血液製剤と比べ対策が難しい点である.当院で行ってきた使用適正化対策とその効果について検証した. 方法:2005年4月から(1)投与前評価の徹底,(2)投与根拠の明確化,(3)不適切使用対策,(4)保険査定対策の4つの具体的対策を順次実施した.対策開始前の2004年10月~2005年3月と,対策開始後の2005~2008年度のアルブミン製剤使用状況を比較した. 結果:対策前と比べ,対策後の5年間で高張製剤投与前/後検査は70.6/47.1%から10...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血細胞治療学会誌 2011, Vol.57(1), pp.25-33 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 背景・目的:アルブミン製剤の自給率は依然として低く,使用の適正化が求められて久しい.アルブミン製剤投与の適正性は数値基準のみでは評価できず,これが他の血液製剤と比べ対策が難しい点である.当院で行ってきた使用適正化対策とその効果について検証した. 方法:2005年4月から(1)投与前評価の徹底,(2)投与根拠の明確化,(3)不適切使用対策,(4)保険査定対策の4つの具体的対策を順次実施した.対策開始前の2004年10月~2005年3月と,対策開始後の2005~2008年度のアルブミン製剤使用状況を比較した. 結果:対策前と比べ,対策後の5年間で高張製剤投与前/後検査は70.6/47.1%から100/99.4%へ増加した.高張製剤投与前アルブミン値は,3.0g/dl以上での投与が14.6%から2.3%へ減少,逆に2.5g/dl未満での投与は39.6%から83.2%へ増加した.高張製剤の4日以上連日投与割合は27.8%から4.6%まで漸減した.患者一人一カ月あたりの高張製剤投与量は65.0gから,51.0gまで減少した.使用が適正化した結果,保険査定率は11.9%から2.8%へ,アルブミン使用量/総赤血球製剤使用量(A/R)は2.56から1.72へ改善した. 結論:委員会を中心とし,関連部署が連携した対策により,医師の適正使用に対する意識が向上し確実な効果が見られた.適正使用推進のためには,(1)患者毎の具体的データの提示,(2)問題点の明確な提示及び指摘,(3)不適切使用症例の具体的提示,(4)医師個人への日常的な働きかけ,(5)関連部署の相互連携,の5つのポイントが対策を進める上で重要であった. |
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ISSN: | 1881-3011 1883-0625 |
DOI: | 10.3925/jjtc.57.25 |