12. RhD陰性患者にRhD陽性赤血球を輸血した症例
【はじめに】RhD抗原は免疫原性が強く, 1回のD陽性赤血球輸血で抗Dが産生される頻度は85%以上と考えられている. 緊急時, D陰性患者にD陽性赤血球を輸血した症例を経験した. 【症例】70代男性, 肝腎損傷で夜間緊急搬送され, 手術のため血液型検査と不規則抗体検査, 赤血球製剤20単位, FFP 20単位の申し込みがあった. 【経過】患者はO型, RhD陰性. 不規則抗体陰性. 輸血歴無し. 当時, O型D陰性赤血球の県内在庫は2単位あり, 県外調整による納品には約3時間要する状況であった. 緊急手術には, まずO型D陰性赤血球1バッグ(2単位)のほかD陽性3バッグ(6単位)を輸血した....
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Veröffentlicht in: | 日本輸血細胞治療学会誌 2010, Vol.56 (5), p.656-656 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【はじめに】RhD抗原は免疫原性が強く, 1回のD陽性赤血球輸血で抗Dが産生される頻度は85%以上と考えられている. 緊急時, D陰性患者にD陽性赤血球を輸血した症例を経験した. 【症例】70代男性, 肝腎損傷で夜間緊急搬送され, 手術のため血液型検査と不規則抗体検査, 赤血球製剤20単位, FFP 20単位の申し込みがあった. 【経過】患者はO型, RhD陰性. 不規則抗体陰性. 輸血歴無し. 当時, O型D陰性赤血球の県内在庫は2単位あり, 県外調整による納品には約3時間要する状況であった. 緊急手術には, まずO型D陰性赤血球1バッグ(2単位)のほかD陽性3バッグ(6単位)を輸血した. その後, 県外調整のD陰性1バッグ(2単位)を輸血した. FFP 6バッグ(10単位)は全てO型D陰性を輸血した. 抗D産生の有無を輸血後3日目から直接抗グロブリン試験(DAT)と間接抗グロブリン試験(IAT)を用いて2週間毎に3ヶ月間follow upした. しかし, DAT, IATいずれも陽転しなかった. 【考察・結語】本症例では, 緊急手術のためD陰性患者にやむをえずD陽性赤血球輸血したが, 抗Dは産生されなかった. |
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ISSN: | 1881-3011 |