1. Broad HLA抗体のためHLA適合血小板ドナー確保が極めて困難で, 造血幹細胞移植ドナーからの血小板採取を施行した1例

患者は53歳男性. B型RhD(+), 既往歴, 輸血歴無し. 2008年9月MDSを発症(WBC7600/μl(blast 1%), Hb13.2g/dl, Plt1.1万/μl)し, 血小板数の低下による出血症状があった. 10月にIr-PCを10単位輸血(輸血前Plt0.8万/μl, 輸血後4.7万/μl, CCI-1h 34483/μl)し, 輸血効果があった. 以後ほぼ毎週濃厚血小板製剤を輸血されていたが, 血小板数は1万/μl前後と低値で経過した. 3度目の血小板輸血時より皮疹が出現した. 11月13日HLA抗体(AHG-LCTにて2/6パネルリンパ球と反応, 特異性:anti-A...

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Veröffentlicht in:日本輸血細胞治療学会誌 2009, Vol.55 (5), p.646-646
Hauptverfasser: 高橋裕志, 高崎美苗, 奥津美穂, 菊地正美, 川畑絹代, 小野智, 安田広康, 菅野隆浩, 大戸斉
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:患者は53歳男性. B型RhD(+), 既往歴, 輸血歴無し. 2008年9月MDSを発症(WBC7600/μl(blast 1%), Hb13.2g/dl, Plt1.1万/μl)し, 血小板数の低下による出血症状があった. 10月にIr-PCを10単位輸血(輸血前Plt0.8万/μl, 輸血後4.7万/μl, CCI-1h 34483/μl)し, 輸血効果があった. 以後ほぼ毎週濃厚血小板製剤を輸血されていたが, 血小板数は1万/μl前後と低値で経過した. 3度目の血小板輸血時より皮疹が出現した. 11月13日HLA抗体(AHG-LCTにて2/6パネルリンパ球と反応, 特異性:anti-A24, B7, 抗体価8倍)が陽性で, 以後HLA適合血小板を使用した. 12月に, B型RhD(+), HLA6座完全一致の弟より末梢血幹細胞を採取し, 移植の準備を進めた. 2009年1月9日には, 更にHLA抗体特異性は広範囲(20/30パネルリンパ球と反応, 特異性:anti-A24, B7, B51, B62, B54+α, 抗体価16倍)となった. HLA適合ドナー数(B1Uマッチグレード)は全国で約30名だけで, 移植治療に伴う骨髄抑制中の十分なHLA適合血小板製剤の確保が困難と考えられた. 2月中旬に弟からの末梢血幹細胞を移植し, 移植後は弟からの院内血小板アフェレーシスによる血小板製剤を週に2回(計8回), 血液センターからのHLA適合血小板を週に1回(計4回)輸血することで, 重篤な出血を来たすことなく経過した. day13には生着し, day27にはPlt14万/μlを超え, 以後血小板輸血を必要としなくなった. day46にはHLA抗体も消失した.
ISSN:1881-3011