2. 技術協力としての洗浄・置換血小板, その品質管理について

【目的】洗浄・置換血小板(W/R-PC)は, 血小板輸血時の非溶血性副作用への対応製剤としての評価を得ており, 当センターにおいても医療機関への技術協力の一環として調製を行っている. しかし, 今日の製造施設集約化のなかにあって, 医療機関への供給時間の延長等, 血小板品質への影響が考慮されることから, 今回血小板機能維持効果が高いとされるM-so1を用い, その品質及び保管に係る検討を行ったので報告する. 【対象及び方法】健常ボランティアドナーから採取した成分採血由来血小板製剤を原料として, M-solを用いて洗浄置換操作を行った. その後均等にPOバッグに2分割し, コントロールとして振盪...

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Veröffentlicht in:日本輸血細胞治療学会誌 2009, Vol.55 (3), p.422-422
Hauptverfasser: 堀川次男, 一ノ渡俊也, 武井裕, 坪井正碩
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】洗浄・置換血小板(W/R-PC)は, 血小板輸血時の非溶血性副作用への対応製剤としての評価を得ており, 当センターにおいても医療機関への技術協力の一環として調製を行っている. しかし, 今日の製造施設集約化のなかにあって, 医療機関への供給時間の延長等, 血小板品質への影響が考慮されることから, 今回血小板機能維持効果が高いとされるM-so1を用い, その品質及び保管に係る検討を行ったので報告する. 【対象及び方法】健常ボランティアドナーから採取した成分採血由来血小板製剤を原料として, M-solを用いて洗浄置換操作を行った. その後均等にPOバッグに2分割し, コントロールとして振盪保管した群(A群, n=5), 対象として静置保管した群(NA群, n=5)とし, 両群からのサンプリングは経時的(0, 3及び9, 24, 48時間後)に行った. 検討項目は次のとおりである. スワーリング, MPV, pH, 凝集能, グルコース, 乳酸, RANTES, P-selectin, phosphatidylserine(PS). 【結果及びまとめ】調製後のW/R-PCは血小板回収率83.2%, 血漿蛋白除去率98.0%の成績であった. スワーリング, MPV, pHに関しては検討期間を通じて両群間に有意な変化はみられなかった. EPSによる凝集能は両群とも保管期間48時間を通じて漸増傾向で推移し, 保存に伴いagonistに対する反応性が低下する傾向を示した. RANTES濃度, P-selectin及びPS発現率は経時的増加傾向がみられたが両群間に有意差はなかった. 以上の結果より, M-solによるW/R-PCは本検討期間中, 対象群である静置保管のNA群においてその品質に関し, コントロールのA群と遜色ない成績を示したことから保存温度が遵守された状況下, 搬送等により振盪操作が不十分な条件にあっても品質への影響は小さいものと思われた.
ISSN:1881-3011