4. 自家末梢血単核細胞を用いた膠原病に伴う阻血指趾に対する血管新生療法―当部の役割
【はじめに】第121回関東甲信越支部例会で, 末梢性血管疾患に対する自家骨髄単核細胞移植の有用性を報告した. 今回, 膠原病に伴う阻血指趾に対する自家末梢血単核細胞移植における当部の役割と臨床効果について報告する. 【対象と方法】対象は重症の膠原病に伴う阻血指趾を有する4例. 原則的に, 移植2日前と1日前に末梢血400mlを1日2回採取した, 採取した血液を遠心し, 血漿, バッフィーコート, 赤血球の3つに分画した. 血漿と赤血球分画は, 当日患者へ返血した. この操作を, 午前と午後の2回行った. バッフィーコートから比重遠心法を用いて単核細胞に分離した. 分離した細胞は, 1%ヒトアル...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血細胞治療学会誌 2008, Vol.54 (3), p.439-440 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【はじめに】第121回関東甲信越支部例会で, 末梢性血管疾患に対する自家骨髄単核細胞移植の有用性を報告した. 今回, 膠原病に伴う阻血指趾に対する自家末梢血単核細胞移植における当部の役割と臨床効果について報告する. 【対象と方法】対象は重症の膠原病に伴う阻血指趾を有する4例. 原則的に, 移植2日前と1日前に末梢血400mlを1日2回採取した, 採取した血液を遠心し, 血漿, バッフィーコート, 赤血球の3つに分画した. 血漿と赤血球分画は, 当日患者へ返血した. この操作を, 午前と午後の2回行った. バッフィーコートから比重遠心法を用いて単核細胞に分離した. 分離した細胞は, 1%ヒトアルブミンを添加したRPMI-1640培地に浮遊し4℃で保存した. 移植当日, 細胞を遠心し回収し, RPMI-1640培地4~6mlに細胞を浮遊し移植用の細胞とした. 上記のex vivoの細胞の操作は, 臨床用細胞プロセシング室で無菌的に行った. 阻血指趾に対して, 3ヶ月ごとに4回自家末梢血単核細胞移植を繰り返し行った. 【結果と考察】採取や返血の過程で副作用はなかった. 移植に係る副作用はほとんどみられなかった. 指趾尖潰瘍を有する3例では, 3例とも著明な潰瘍の縮小と痂皮化を認めた. 血管造影検査では, 2例に新たな血管の新生を認めた. 輸血部門は, 細胞プロセシングを担当することによって, 臨床各科で行われる細胞療法を支援することが必要である. |
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ISSN: | 1881-3011 |