白血球抗体検出のための5系統の血液細胞を同時に測定する新たなフローサイトメトリー法

白血球抗体を検出する方法として, フローサイトメトリー (FCM) 法が一般的に用いられているが, 同方法にはいくつかの欠点がある. その一つは, 好中球や単球抗のバックグラウンド蛍光が高い事, また, 抗体の特異性の同定には好中球, 単球のみならずT-リンパ球, B-リンパ球, 血小板といった他の血液細胞との反応性も同時に検討する必要がある事である. その為, 我々は低バックグラウンドで, かつ, 4系統の白血球と血小板を同時に測定する方法の樹立を試みたので報告する. FCM解析にはエチレンジアミン4酢酸 (EDTA) 採血した全血を試料として用い, 5系統細胞の識別はFSC/SSC分布とC...

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Veröffentlicht in:日本輸血細胞治療学会誌 2007/08/27, Vol.53(4), pp.477-484
Hauptverfasser: 松山, 宣樹, 小島, 芳隆, 平山, 文也, 保井, 一太, 谷上, 純子, 福森, 泰雄, 吉村, 敬次, 田端, 信忠, 坂田, 尚己, 谷, 慶彦, 柴田, 弘俊
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:白血球抗体を検出する方法として, フローサイトメトリー (FCM) 法が一般的に用いられているが, 同方法にはいくつかの欠点がある. その一つは, 好中球や単球抗のバックグラウンド蛍光が高い事, また, 抗体の特異性の同定には好中球, 単球のみならずT-リンパ球, B-リンパ球, 血小板といった他の血液細胞との反応性も同時に検討する必要がある事である. その為, 我々は低バックグラウンドで, かつ, 4系統の白血球と血小板を同時に測定する方法の樹立を試みたので報告する. FCM解析にはエチレンジアミン4酢酸 (EDTA) 採血した全血を試料として用い, 5系統細胞の識別はFSC/SSC分布とCD4, CD20, CD14の発現の有無を基に行なった. その結果, 抗HNA (human neutrophil antigen) 1b血清をHNA 1b陽性細胞と反応させた場合には, 好中球のみが陽性となり, 抗Naka (抗CD36) 血清と反応させた場合には, 血小板と単球が陽性となった. 好中球と単球のバックグラウンドは十分に低くなった. また, HLA Class IIの抗血清を用いたところ, Bリンパ球と単球が陽性となり, HLA Class Iの抗血清では5系統の細胞が陽性であった.
ISSN:1881-3011
1883-0625
DOI:10.3925/jjtc.53.477