7.他院でO型赤血球異型適合血を輸血された後に,緊急転送された交通多発外傷症例の一考察

他院でO型赤血球異型適合血を輸血された後に,当院救命救急センターに転送入院した患者における輸血の問題点について報告する.症例は大量出血をきたした交通多発外傷患者である.救命救急センターより超緊急輸血(O型異型適合血)の依頼があり,事前の申し合わせに従い,O型異型適合血を10単位出庫した.その後ABO血液型を用手法にて異なる検体で2度実施し,B型Rh+と判定されたためB型輸血に切り替えた.同日に前医より,すでにO型異型適合血4単位と,搬送中にB型3単位が輸血されている(前医にてB型Rh+は確定済)との情報提供があった.当院入院後はO型10単位,B型6単位が輸血された.入院時の患者検体を用いて自動...

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Veröffentlicht in:日本輸血細胞治療学会誌 2007, Vol.53 (3), p.387-387
Hauptverfasser: 高橋博之, 鈴木 明, 工藤善範, 成田香魚子, 伊藤経夫, 佐藤裕子, 三浦淳子, 太田正孝, 峯岸正好, 土屋 滋, 氏家和明, 石川 泉
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:他院でO型赤血球異型適合血を輸血された後に,当院救命救急センターに転送入院した患者における輸血の問題点について報告する.症例は大量出血をきたした交通多発外傷患者である.救命救急センターより超緊急輸血(O型異型適合血)の依頼があり,事前の申し合わせに従い,O型異型適合血を10単位出庫した.その後ABO血液型を用手法にて異なる検体で2度実施し,B型Rh+と判定されたためB型輸血に切り替えた.同日に前医より,すでにO型異型適合血4単位と,搬送中にB型3単位が輸血されている(前医にてB型Rh+は確定済)との情報提供があった.当院入院後はO型10単位,B型6単位が輸血された.入院時の患者検体を用いて自動血液型判定装置にて再検したところ,ABO表試験の抗Bとの反応で部分凝集が認められた.またスライド法の表試験で僅かに非凝集血球がある凝集像が確認された.問題点と考察:(1)異型適合血の輸血量が多く,その情報がなければ,血液型誤判定を生じる可能性がある.(2)他施設での異型適合血輸血実施の情報を入手するため,検査上の重要性を理解してもらうための医師の教育が必要である.(3)他施設での血液型検査データを共有・活用する方法や体制を考えるべきである.
ISSN:1881-3011