(A)1.全血由来白血球除去製剤の原料血から製剤調製までの品質管理
【目的】2007年1月16日から製造開始された全血由来白血球除去製剤を対象に,採血から輸血用血液調製に至る品質管理体制の一端について,その現状を紹介し,また従来製剤RC-MAPを対照として品質的な検討を行ったので報告する.【対象及び方法】いわきセンター献血者由来400mL全血原料血より分割調製した白血球除去200mL製剤(IF製剤),及び福島センターにおいて同様の手法で調製された製剤(FF製剤)を対象とした.controlは福島センターにおいて採取した白血球を除去しない従来製剤RC-MAPである.原料血搬送に際し,品質管理上重要な影響因子である温度管理については,採血施設として最も遠隔地である...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血細胞治療学会誌 2007, Vol.53 (3), p.385-385 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】2007年1月16日から製造開始された全血由来白血球除去製剤を対象に,採血から輸血用血液調製に至る品質管理体制の一端について,その現状を紹介し,また従来製剤RC-MAPを対照として品質的な検討を行ったので報告する.【対象及び方法】いわきセンター献血者由来400mL全血原料血より分割調製した白血球除去200mL製剤(IF製剤),及び福島センターにおいて同様の手法で調製された製剤(FF製剤)を対象とした.controlは福島センターにおいて採取した白血球を除去しない従来製剤RC-MAPである.原料血搬送に際し,品質管理上重要な影響因子である温度管理については,採血施設として最も遠隔地であるいわきセンターを対象にvalidateを行った.品質面に関しては,残存白血球数及び上清ヘモグロビン値,CD47,phosphatidylserin(PS),glycopho-rin A(GPA)を測定した.検討期間は採血から保存28日目までとした.なお,本研究に用いた原料血は,全て当職員ボランティアからのもので,インフォームドコンセントを得ている.【結果及びまとめ】いわきセンターからの搬送所要時間約2時30分の間,容器内温度は,常時,規定の1~30℃の温度に保たれていた.品質面では,残存白血球は,FF,IF両者ともに1×1000000(個/バッグ)以下で,上清ヘモグロビン値は,RC-MAPと同様,保存28日目に至るまで0.1g/dL以下で推移した.また,フローサイトメーターによるCD47,GPA陽性率の推移動向については,検討期間を通じてRC-MAP,FF,IF間に有意な変化はみられなかった.PS陽性率に関しては,3製剤ともに経時的に有意な微増傾向を示し,FF製剤の保存28日目において最大1.9%であった.しかし,3製剤の間に有意差はなかった.以上の検討結果から,本parameterにおいて,FF及びIF間で保存に伴う差異は認められず,総じてRC-MAP製剤と遜色ない品質を有した白血球除去赤血球製剤であることが示唆された. |
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ISSN: | 1881-3011 |