28.全自動輸血検査システムAuteVueで検出できなかった低力価の抗E抗体の1例

【はじめに】当院では, 血液型検査および不規則抗体スクリーニング検査を全自動輸血検査システムAuteVueで, 交差適合試験は試験管法にて実施している. 不規則抗体スクリーニング検査ではIgGカセットを使用しており, LISS法を用いた比重勾配法を測定原理とする. 今回, AuteVueで検出できず, 用手法によるPeG-IgGクームス法で検出した低力価の抗E抗体を経験したので報告する. 【症例】患者は60代, 女性. 輸血歴なし, 妊娠歴あり. 他院より汎血球減少を指摘され, 2004年7月8日当院血液内科を受診. Hb5.0g/dlであったため, 血液型・不規則抗体スクリーニング検査をAu...

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Veröffentlicht in:日本輸血細胞治療学会誌 2007, Vol.53 (1), p.89-89
Hauptverfasser: 山田麻里江, 山田尚友, 南雲文夫, 船井典子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【はじめに】当院では, 血液型検査および不規則抗体スクリーニング検査を全自動輸血検査システムAuteVueで, 交差適合試験は試験管法にて実施している. 不規則抗体スクリーニング検査ではIgGカセットを使用しており, LISS法を用いた比重勾配法を測定原理とする. 今回, AuteVueで検出できず, 用手法によるPeG-IgGクームス法で検出した低力価の抗E抗体を経験したので報告する. 【症例】患者は60代, 女性. 輸血歴なし, 妊娠歴あり. 他院より汎血球減少を指摘され, 2004年7月8日当院血液内科を受診. Hb5.0g/dlであったため, 血液型・不規則抗体スクリーニング検査をAuteVueで実施し結果報告後, 赤血球MAP2単位の依頼があった. 【結果】(1)AuteVueの結果はAB型Rh(D)陽性, 不規則抗体スクリーニング陰性. (2)交差適合試験は用手法によるPeG-IgGクームス法で陽性(1+, 凝集価:8倍). (3)不規則抗体を疑い抗体同定を実施した結果, 抗E抗体を検出した. E抗原陰性の赤血球MAP2単位が輸血されたが, 副作用は認められなかった. 【考察】AuteVueと試験管法の反応に差が出た要因として, 方法や反応増強剤の違いと抗原抗体反応の親和性によることが考えられる. 今回の症例の経験から, 不規則抗体スクリーニング検査や交差適合試験を実施する際は, 機器や試薬の性質・特徴をよく理解することが重要であると再認識できた.
ISSN:1881-3011