当院における輸血後感染症検査実施とその成績
【目的】平成16年9月17日付の厚生労働省医薬食品局長通知によって, 輸血前・後にHBV, HCV, HIV感染症検査を行うことが勧奨された. 当院輸血療法委員会では, 輸血患者全例の実施を前提としてその方法を検討し, 平成15年7月以降輸血後感染症検査を実施している. 今回, その方法と成績について報告する. 【輸血後感染症検査の方法】1. 患者への周知:輸血の説明と同意書に輸血前・輸血後感染症検査を実施すること, また, 輸血前検体の保管について明記. さらに, 最終輸血後2ヶ月以上経過した時点で輸血後検査を通知するダイレクトメールを発送することを明記. 2. 院内体制の整備:輸血前・輸血...
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Format: | Tagungsbericht |
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Zusammenfassung: | 【目的】平成16年9月17日付の厚生労働省医薬食品局長通知によって, 輸血前・後にHBV, HCV, HIV感染症検査を行うことが勧奨された. 当院輸血療法委員会では, 輸血患者全例の実施を前提としてその方法を検討し, 平成15年7月以降輸血後感染症検査を実施している. 今回, その方法と成績について報告する. 【輸血後感染症検査の方法】1. 患者への周知:輸血の説明と同意書に輸血前・輸血後感染症検査を実施すること, また, 輸血前検体の保管について明記. さらに, 最終輸血後2ヶ月以上経過した時点で輸血後検査を通知するダイレクトメールを発送することを明記. 2. 院内体制の整備:輸血前・輸血後感染症検査の流れをフローチャート化したマニュアルを配布. オーダリングシステムに輸血前・輸血後感染症検査セットを導入. 輸血部門サーバーに保存されている輸血履歴情報を元に, 最終輸血後2ヶ月以上たった患者を抽出するシステムを導入, また, 抽出された患者の宛名ラベルを出力できるようにした. 本システムで抽出されない継続輸血患者については, 輸血療法委員会を通じて主治医に協力を依頼. 3. 結果の通知:当院で感染症検査を受けた場合は, ダイレクトメール(DM)で患者に結果を通知. 【結果】毎月末に2ヶ月前に最終輸血を受けた患者にDMを発送. 平成15年7月から平成18年3月まで, 842名の輸血患者のうち, 最終輸血後2ヶ月経過する患者467名に, 輸血後感染症検査のお知らせを発送した. 対象期間の当院での輸血後感染症検査実施率は39.2%であった. 【考察】退院時に輸血後2~3ヶ月目に感染症検査をするように通知したり, 主治医に輸血後感染症検査を行うように教育してもおそらく実効があがらないと判断し, 最終輸血後2ヶ月以上経過した患者に, DMを発送することにした. その結果, 約40%の検査実施率に達した. 当院以外での検査実施患者を含めると半数以上の患者が輸血後感染症検査を行っていると推定される. |
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ISSN: | 1881-3011 |